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しばりしばられ10 その⑧ 脱獄、そして対峙

「さぁ、脱獄しようか。」

沙希がニヤリと不敵な笑みを浮かべながら言った。

「うん!」

「当たり前だよ!」

「はい!」

そうして沙希たちは縄抜けに挑んだ。

「ん……!」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

「くっ…」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

「キツ…」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

「縄抜けの術…!……ダメか…」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

沙希たちは縄抜けに挑むものの縄が解ける気配はなかった。

「沙希さん、この縛りどうですか…?」

「縛り自体は難しくないんだけど、指先が使えないのがね…」

沙希は自身のガムテープが巻かれた指先を見つめながら言った。

「やっぱりですか。くっ…早く縄抜けしないと縄原が戻ってきちゃう…」

「ハサミとかがあれば…」

「っ…!そうだ!」

光姫の呟きに優奏は反応する。とててて…と膝立ちのまま牢屋の端まで移動した。

「よいしょ…はむ…」

沙希たちの方を振り返った優奏が咥えていたのはハサミだった。

「優奏ちゃん!それ…!」

「ハサミ…!」

優奏は再び膝立ちのまま沙希たちの元へ戻る。

「えへへ…。一人でじばk……っいや、縄抜けの練習で解けなくなった時用に用意しててよかったです!」

「さすが優奏ちゃん!」

「ありがとうございます。では早速縄を解きますね。はむ…」

優奏はハサミを咥えて沙希の縄を解きにかかる。

「優奏ちゃん、気をつけて!」

「ふぁい…!」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

縄を切るようにギコギコとハサミを動かす。

「ん……ん…!」

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

〈ブチィ〉

「切れた…!優奏ちゃんありがとう!」

はらりと縄が解ける。

自由の身になった沙希は光姫たちの縄を解きにかかった。

__________________________

「よし…これで優奏ちゃんの縄も解けたね。」

「ありがとうございます…!」

沙希たちは身体の縄を解き終わった。

「あとは脱出するだけだね!」

「はい!よいしょ…っと。牢屋の鍵も外しました!」

「待って…!」

いざ脱出といったときに友梨が声を上げた。

「ローター取らないと…。」

「あ…」

「忘れてたね…。」

「あはは…」

沙希たちは股間に手を入れてローター取り出した。

「こんなもの…!」

光姫は自身の股間に入ってたローターを地面に投げつけた。沙希たちも二度と入れられたくないと思いローターを床に置いた。

「脱出しよう!」

「うん…!」

そうして沙希たちは牢屋から出て行った。

「………。」

最後まで牢屋に残っていたのは優奏だった。

「優奏ちゃん、早く行こ。」

「は、はい!」

優奏は光姫の股間に入っていたローターを拾い上げ、三人の後を追った。

__________________________

「修練場まで帰ってきたね。」

「あと少しで…」

地上へ戻る階段まで差し掛かったところで優奏は足を止めた。

「優奏ちゃん?」

「先に行ってください…」

「え…みんなで脱出しようよ」

「どうやら勝負をしないといけないみたいです…。」

「まさか…!?」

そういった矢先、シュバっと目にも止まらぬ速さで和奏が現れた。

「逃げ出すかもと思っていましたが思いの外早かったですね。」

和奏は余裕そうに優奏たちに告げる。

「皆さんを守りながらでは勝てそうにありません…。屋敷を出たら一目散に逃げてください…。」

「優奏ちゃん…。」

「大丈夫です。お姉ちゃんを元に戻して皆さんと合流します…!」

「……お願い…!」

沙希たちは一階へ向かう階段へ向かって行った。

「私に勝てると思っているのですか?」

「やってみないことには…」

「先程、無様に負けて縛られていたような気がしますけど。」

「うるさい…!私だってくノ一だよ。私の本気見せてあげる…!」

「やれやれです。」

一瞬の静寂の後、二人のくノ一は風のような速さで交差した。


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