パン!
拳にずっしりと感じる、この重さ。
赤グローブで、上気した顔面が、ゴムみたいにゆがむ。
あんたもそんな変な顔するんだ。
ずっと届きたかったあんたの背中に、初めてこの指がかすった。
嬉しいって、普通は思うんだろう。
でも私の頭を支配したのは別の考えだった。
これが10代の最後の試合になるんだって。
高校一年生の初対戦から、もう丸4年がたつ。
井の中の蛙だった私のプライドを、あんたは破片も残さないほど粉々にしてくれたんだったね。
それから毎日、ずっとあなたのことを考えていたよ。
つまらない授業中にも、夢の中でも、私の頭にはいつもあんたがいた。
いつも私の一歩先を走っていて、
私が必死に追いつこうとしても、その背中がますます小さく遠くなっていくんだ。
不安だった。だから本当に努力したよ。
あんたと私の足りない所を全部洗い出して、
あんたと同じトレーニングを倍の数こなして、
あんたが頑張っている勉強も全部やめて、持てる時間を全てボクシングに捧げた。
私の青春はまさにあんたとボクシングだ。
だからこの場で、とうとうあんたと互角に拳を交わし合えているんだよ。
どう?すごいでしょ。びっくりしたでしょ?
これ以上無い私の努力を、誰もが手放しで絶賛するだろうな。
あんただって褒めてくれるでしょ?「すごい」って。
いつもの試合後みたいに。
いつものとても嬉しそうな笑顔で。
私が勝ったとしても、あんたは素直に褒めてくれるだろうな。
あんたはそういう人だから。
ああ・・・
少しだけ。
あと少しだけ頑張ってたら、これから始まる結果が変わったのかな。
大きくて重いグローブに、顔面を強く打ち放たれた。
強い衝撃に飛沫を上げながら、視界が暗転する。
ああ。すごいな。
こんなパンチ、どうやって打つんだろう。どうしたら打てたんだろう。
何度考えてもわからなかった。結局。
素直に教えてもらえばよかったよ、直接あなたから。
乾いたマットが背中から水分を奪う。
天井のライトがまぶしい。
その逆光に隠れたもっと眩しい笑顔の中で、唇がいつもみたいに動く。
心の中に広がる、酸っぱくてほんのり甘い味。
この感情に名前をつけるなら、恋なんだと思う。
来年の春になって、今より少し大人になったら、
この気持ちも素直に伝えられるかな。
差分
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いつもご支援ありがとうございます。
投稿少し遅くなりすみません。
グローブの色ってどれもそれぞれの良さがありますよね。
赤はちゃんとボクシングって感じで血が沸くし、
青がセットだとスポーツ上の殴り合いって感じがして良いし、
黄色はエキシビジョン上の仲良し関係、というか友達同士って感じがするし、
緑は自衛隊っぽくて無骨で冷たい兵士って感じがするし、
黒色は〇〇みたいでエロいし、、、
つまり、どれも良さがあって1つのバリエーションに決められないから、
こんなに沢山差分ができて困るってことですわよ!
mbc
2025-03-22 13:00:39 +0000 UTCtarupo789
2025-03-21 16:54:27 +0000 UTCtarupo789
2025-03-21 16:52:44 +0000 UTCqwer
2025-03-20 16:40:22 +0000 UTCbfd8756
2025-03-20 16:38:08 +0000 UTC