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【全体公開】 ”拘束”遵守の学園生活

私立陽光学園。 山奥に設立されたこの学園はその立地ゆえに全寮制の高校だった。 また、男女共学と銘打ってはいるが男子の割合は極端に少なく全体の1割に満たなかった。 桜舞い散る季節に、その陽光学園に入学する一人の少女がいた。 「うぅ…友達できるかな…。」 望橋希美(もちはし のぞみ)は『入学おめでとう』と黒板に書かれた教室の端で小さく震えていた。 黒髪でミディアムハーフアップの少女は新しい学校で友達ができるか不安だった。 クラスの中は多くの女子で埋め尽くされていた。 多くの生徒は中学校から同じ友達同士で会話していた。 中学校からの友人が一人もいない希美は若干の孤独感を感じていた。 「ねぇ…ねぇってば…!」 「ひゃい!」 突然話しかけられて希美はびっくりする。 希美に話しかけたのは片耳を出したセミロングの少女だった。 「あの…なんでしょうか…」 希美は少し怯えながら訊ねる。 「寂しそうにしてたからさ。お話ししたいなぁって思って。」 ニコっと笑う少女。 その笑顔は不思議と私を安心させる。 「ありがとうございます!私一人で寂しくて…。その…」 「私は大磯花奏(おおいそ かなで)。花奏って呼んで!」 「花奏ちゃん…!私は望橋希美って言います。」 「じゃあ希美ちゃんだ!」 軽く自己紹介を済ませると花奏は希美の横に並ぶ。 「そういえばさ、男子のみんな居ないよね…。どこにいったんだろう?」 「さっき先生たちに連れて行かれてましたよ。」 「えっ…入学早々なにかやらかしたんじゃ…?」 この学園の男子生徒の比率は限りなく少ない。 周りの廊下や教室を見渡しても男子生徒の姿は『一人も』見当たらなかった。 『新入生の皆さんは体育館に集合してください。入学式を開始します。』 校内アナウンスが流れる。 「だってさ、希美いっしょに行こう!」 「うん。花奏ちゃんっ!」 そして二人は体育館へと向かった。 入学式特有の緊張感に包まれる体育館。 陽光学園では学校自体が僻地に建てられていることもあり保護者の参観はなかった。 また2.3年生も参加せず、一年生だけが体育館に集合していた。 男子が前列、そして女子が後列に並んでいた。 「ちょっと緊張してきましたね…」 「あはは、なにを緊張するんだよ。」 隣同士の希美と花奏は式の開始まで他愛の無い会話をしていた。 『これより入学式を開始いたします。』 そのアナウンスとともに入学式は始まった。 式は順調に進んでいた。 『学園長のことば』 そのアナウンスとともに学園長が登壇する。 学園長はスーツ姿の50代くらいの男だった。 学園長はステージ上で一礼する。 「皆さん、おはようございます。」 『おはようございます』 「ご入学おめでとうございます。」 学園長の話は型にはまったありきたりなもので、生徒たちはあくびを漏らしていた。 「〜〜それでは最後にこちらをご覧ください。」 話の最後にステージ上のプロジェクターに映像が映し出される。 その映像に写っていたのは一台のスマートフォンだった。 「あ、あれ私のスマホです!」 そのスマートフォンは希美のものだった。 〈バキバキバキ…!〉 『っ!?』 希美のスマートフォンはスクラップ機によって破壊された。 生徒たちはどよめく。 「君たちが寮に持ち込んだ通信機器は全て破壊させてもらいました。」 「貴女たちはこの学園での出来事を外に伝えてはいけません。」 学園長は淡々と恐ろしい文言を話していた。 「ちょっと待って!」 声を張り上げたのは花奏だった。 「か、花奏ちゃん…。」 「そんなの人権侵害だよ!おかしいよ!」 人一倍正義感が強い花奏は声を上げずにはいられなかった。 「式の途中ですよ、静かにしてください。」 学園長は声を張り上げ、叱責する。 「っ……!?」 花奏が静かになったところを見計らい学園長は続けた。 「良いですか…君たちはこの学校の校則に従ってもらいます。」 「校則…?」 「この学校では風紀を第一に考えています。風紀を乱すものは誰であっても許しません。」 「風紀のためならスマホを壊しても良いっていうの!?」 花奏は声を張り上げる。 「えぇその通りです。」 「そんなのって…」 「式中に声を張り上げるなんてダメな生徒ですね…。しつけが必要です。風紀委員の方!」 〈パンッパンッ〉 学園長が手を叩くとステージ裏から一人の男子生徒が出てきた。 その生徒の腕には『風紀委員』と書かれた腕章があった。 「では、お願いします。」 学園長がそういうと、その男子生徒は花奏に近づいてくる。 「なんだよ…!」 花奏は少し震えた声でいう。 〈シュルリ…ギチギチ…〉 「えっ…」 その男は花奏の腕を後ろに回し、手首を縄で縛り上げる。 「ちょっ…やめ…」 花奏の抵抗虚しく、花奏の身体は麻縄によって拘束されていく。 「花奏ちゃんっ!」 希美は堪らず助けに行こうとするものの… 「助けようとした者にもしつけを与えますよ。」 その言葉で希美の身体は硬直した。 「希美…ダメ……。私は大丈夫だから…。」 「でも…」 「あぅ…!」 胸の上下に縄をかけられ変な声が漏れてしまう花奏。 「ん…くそ…」 後手縛りを施された花奏は縄抜けを試みようともがく。 「ん…ぁ…く…」 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 抵抗虚しく縄の音だけが鳴く。 「では、他の女子生徒の皆さんも縛られてもらいましょう。」 「え…」 学園長の一言に言葉を失う入学生たち。 「女子生徒は学校にいる間、後手縛りでいてもらいます。それが『校則』です。」 「そん…な……」 「それじゃあ私へのしつけって…」 花奏が恐怖で震えている隙に男は花奏の腰に縄を巻く。 「なにを…?」 腰縄から伸びた縄尻を股間に通す。 「ちょ…そこは…」 〈ギュゥ!〉 「ひゃん…!」 制服のミニスカートを巻き込むように股縄を施される。 そんな花奏の姿を見て女子生徒たちはざわめく。 「私たち…どうなっちゃうの…。」 「怖い…よぉ…」 そんな声を無視するように学園長は続ける。 「男子たちは腕章と縄を受け取ってください。」 「っ!?」 「この学校では代々男子生徒が風紀委員になっているのです。」 「そんな…」 「大人しく手を後ろに組みなさい。」 学園長が告げる。 女子生徒たちに逆らう術はなかった。 女子生徒は腕を後ろに回し、縄を待つ。 それは希美も同様だった。 「縛られたくないよ…」 そんな希美の願いも虚しく風紀委員によって女子生徒に縄がかけられていく。 「あう…」 「大人しくしろ!」 「うぅ…助けて…」 大人しく縛られる生徒、抵抗する生徒、泣き出す生徒…次々と縛られていく。 「次はお前だ。」 ついに希美の番が訪れる。 「はい…。」 希美は両手で腕をギュッと握りしめる。 恐怖で震えているのだ。 〈シュルリ…〉 手首にざらざらとした縄がかけられるのを感じる。 「いや…」 希美の口から自然と声が漏れ出す。 〈ギュゥ…〉 両腕が麻縄によってきっちり拘束される。 生まれて初めて味わう拘束感に身体が微かに震えている。 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 手首の縄を解こうとするものの縄によってギッチリ縛られた両手はもはや希美の支配下ではなかった。 〈シュルリ…ギチギチ…〉 花奏と同じように胸の上下にも縄をかけられる。 「腕が…動かせない……。」 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 縛り上げられた上半身は希美の言う通りには動かなかった。 縄を解こうともがいても縄の音が鳴るだけだった。 「ん…くぅ…」 力を入れても一向に解けない。 「ん………。」 いつのまにか希美も他の女子生徒たちも抵抗することをやめその場に座り込んだ。 体育館の中に女の子座りで座る女子生徒。 全ての女子生徒は陽光学園風紀委員の男子によって縛り上げられていた。 「皆さんが大人しくなったところで私の言葉は終わりにしたいと思います。」 そういうと学園長は一礼し降壇した。 そしてその後は校歌を歌い、入学式は終了した。 「…………。」 入学式が終わり教室に戻ってきた少女たち。 入学という希望に満ち溢れていた彼女たちには縄が巻かれていた。 現実を受け入れられなく呆然としている。 中には涙を流している生徒もいた。 〈キーンコーンカーンコーン〉 絶望の淵にいる女子生徒をよそにいつも通りの予鈴が鳴り響く。 これから自分たちはどうなってしまうのだろうか…。 不安が心を支配する。 そんな少女たちを嘲笑うかのように次なる指示が鳴り響くのであった。 つづく。。。


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