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⑧(完結) しばりしばられ 12

「ちっ…通帳の一つもねぇのかよ」


横河原邸を漁り終えた男が沙希の部屋に戻ってきた。お金になりそうなものが見つからなかったことでかなり怒っている様子だった。


「むぐぅ…」


「ん…んぐぁ!?」


その部屋の片隅では二人の女の子がくぐもった声を出していた。縄で縛り上げられ、股縄とローターを施された沙希と咲椋は限界が近かった。

下着の上から施された股縄は少女たちの秘部を的確に刺激し、微かに振動を続けるローターを秘部へ密着させていた。


「おら、久しぶりにお友達の顔でも見るんだな」


男は沙希たちの目隠しを外した。


「猿ぐつわも取ってやるよ。」


涎でベトベトになったボールギャグもようやく外された。


「んぺっ……咲椋ちゃん…」


「ぉぇ…センパイ……」


二人はお互いの名前を呼び、見つあった。


守るべき後輩は全身汗まみれで、ローターの刺激に耐え続けた身体はビクビクと震えていた。頬は赤く好調し、息も絶え絶えとしていた。


尊敬するセンパイは後輩を安心させるために必死に平静を取り繕いつつ引き攣った笑顔を浮かべていた。いくら平静を取り繕うとも股縄ローターの責めから逃れることはできず、身体をクネクネと捩らせながら必死に抵抗していた。


「ったく知らない男に縛られているのにこんなに興奮するとはな。ヘンタイな奴らだ」


「それは…あなたが…ローターを……!」


沙希は息も絶え絶えに反論した。


「そんな姿で言われてもなぁ」


沙希を煽るように男は言った。


「んぁ…!?」


そこで沙希はローターの刺激で声を出してしまった。


「ほらみろ。イキそうになってるじゃないか」


「んぅ…くぅ……」


「センパイ…ぁひぃ!」


咲椋もまた沙希と同様にローターの刺激で身体を捩らせた。


「こんなに感度が良いなら高く売れそうだな。」


「売る…?」


男の言葉に沙希は反応した。


「金目のものがなかったんだ。お前らを売って金にしてやるんだよ。」


「いや…やめて!」


「お前らに拒否権は無いんだよ。」


男の言葉はその通りだった。緊縛されてしまっている沙希たちに抵抗する手段なんてなかった。


「その前に、少しだけ“いただいて”やろう」


「「いただく……?」」


沙希と咲椋は首を傾げた。


「多少キズものになったところで女子高生は高く売れることには変わりねぇからな」


男の言葉で沙希と咲椋はその真意に気づいた。


「ダメ…それだけは許して…!」


「いや…いやだよ……、センパイ…」


二人は身を寄せ合い、恐怖に震えていた。


「へへ、まずはセンパイちゃんの方だ。」


男はベルトをカチャカチャとしながら沙希に近づいてきた。


「誰か!助けて…!」


届くはずのない悲鳴をあげた。


『待ちなさい!』


シュバッ


その声とともに男の足元にクナイが刺さった。


『!?』


一同の目の前に現れたのは現代に生きるくノ一、古町和奏だった。


「和奏ちゃん…!」


「…えと……和奏さん…!」


「無事ということで良いかしら?」


「うん!助けに来てくれたの?」


「何回も電話をかけても出なかったから何事かと思えば、案の定事件に巻き込まれていたのね」


「うぅ…面目ない……」



「おい!何者だ、貴様!」



男は和奏に対して声を張り上げた。


「誰だと思う?」


「おちょくるんじゃねぇ!誰であろうとお前も縛ってしまえばコイツらと同じだ」


男は麻縄の束を手に和奏に迫った。


そこで沙希と咲椋は思い出した。


“ドジ”


以前にも助けに来た和奏がドジをして捕まってしまったことを思い出した。


「はぁぁぁぁ!!!」


しかし、和奏がドジすることはなかった。和奏は目にも止まらぬ速さで男の腹にパンチを喰らわせた。


「ぐぁ……」


男は力なく倒れた。


「あなたなんて縛る価値もないわ」


和奏がそう言い捨てると外からパトカーのサイレンが聞こえてきた。


「すごい……」


「これがくノ一…かっこいい……」


沙希と咲椋は普段と違う和奏の姿に惚れ惚れしていた。


「縄、解いてあげるわね」


和奏はクナイで縄を切った。


ブチィ


ようやく沙希と咲椋を苦しめていた拘束が解かれた。


「それじゃ、後のことはよろしく頼むわよ」


「え、和奏さんは何処に?」


「こんな格好を見られたらいろいろと問題になるでしょう?くノ一ってバレるのはあまり好ましくないのよ」


「なるほど…」


「それじゃ、adidas」


和奏はそう言って部屋を出て行った。


「咲椋ちゃん、ちょっと待ってて」


沙希も和奏を追うように部屋から出て行った。


「待って…!」


玄関から出ようとしている和奏を沙希は呼び止めた。


「あなた…縄原…でしょ?」


「………。」


一瞬の沈黙の後、和奏はニヤッと笑って口を開いた。



「あらぁ?完璧な変装だと思ったのに。どこで気がついたのかしら?」


「ドジしなかったところ…。本物の和奏ちゃんならドジして一緒に捕まってた…」


「ふふ、あの子、沙希ちゃんにもそんなふうに思われてたのねぇ」


「どうして…どうして私たちを助けたの…?あなたの野望を知っている私たちが社会的に消されるのはあなたにとって良いことじゃないの?」


「甘く見ないでもらえるかしら。“全少女緊縛計画”はそんなに野蛮じゃないのよ」


「…私たちあなたの企みでたくさん縛られてるけど……」


「野蛮と緊縛を一緒にしちゃダメよ。私があなたたちを犯そうと仕向けたことなんてある?」


「うぅ…それはないけどさ…」


「まぁ、そういうことよ。私の管轄外で貴女達が縛られるのは良い気持ちがしないわ。それに全く美しくない縛りに興味はないの」


「美談みたいに言ってるけど、あなたが悪人なのには変わりないよね…」


「そう思ってくれて結構よ。今回のは特別。これから貴女たちを縛り続けることに変わりはないわ。」


「……ありがとう…。」


「ん?」


「私が感謝するのも今回だけ…」


「その心意気よ。」


「…あ!そういえば本物の和奏ちゃんは!?」


「うふふ、ここよ」


縄原はスマホの画面を沙季に見せた。


『うぅ…誰か助けてくださいなのです……』


そこには古町邸の修練場で吊られている和奏の姿があった。もちろんその身体は縛られていて、逆海老縛りを施された後に天井の針から吊るされていた。


「和奏ちゃん!?」


「うふふ、周りもよく見てみなさい」


『うぅ…沙希ぃ…助けて〜』


「光姫!?」


『えへへ〜吊られるの気持ち良いなぁ』


「友梨ちゃんも!?ってことは…」


『面目ないです…縄原に縛られるなんて……』


「やっぱり優奏ちゃんも」


「この子たちが貴女たちのことを助けに行こうとしていたから私が縛りあげておいたのよ」


「文章が理解できないんだけど…」


「和奏ちゃんと優奏ちゃんが揃って無事に助けられると思う?」


「それは…」


『沙季さん!少しは反論してください!』


「優奏ちゃんの方は比較的ドジしないかもだけど、光姫ちゃんが一緒だとねぇ」


『わーわーわー!縄原!それ以上言ったら猿ぐつわだよ!』


「縛られてる子が何言ってるんだか」


「あはは…」


「さすがの私でも人質がそんなに居ると無事に助け出せるか不安だったのよこんなところでいいかしら?警察が来る前に逃げたいのだけど」


「うん…」


「次会うときは敵同士よ。それじゃ、adieu」


そういうと縄原は暗闇の中に消えていった。


「ホント…今日だけ……ですよ…」


沙希は小さく息を吸い、言葉を紡いだ。


「縄原市長、ありがとうございました…!」


暗闇に向かって沙希は改めて感謝を口にした。


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