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(ボツ供養)短編 それは私を苦しみから救う縄だった

新社会人になって1ヶ月が過ぎようとしていた。

時刻はまさに日を跨いだところ。ネオンが輝く繁華街を一望できる橋の上に私は居た。


「もういいや」


就職してから定時で帰れたのは入社初日だけ。疲れ切った私は今まさに身を投げるところだった。


「ねぇ」


「!?」


いきなり声をかけられて驚く。こんな私に何の用だろう。声をかけてきたのは私なんかには似合わない美形の男だった。


「この世からバイバイする前に僕に買われてみない?」


男は万札を5枚握っていた。

少し前までは抵抗があったのだろうが、今となっては自分のことなんかどうでも良かった。せっかくならそのお金で美味しいものを食べてから世を去るのも良いかなと思った。


「…良いよ」


私は知らない男性に春を売ることにした。


__________________________


連れてこられたのは変態の家だった。大人の玩具やら同人誌が散乱していて全裸の女の子が描かれているポスターがたくさん貼ってあった。


「なわ…?」


「興味ある?」


「…縛られたことはないから」


「縛られてみる?」


「えっちなことしない?」


こんなところに連れ込んでそんなはずないだろと思いながらも建前としては聞かざるを得ない。


「君がしたいって言わないならしないさ」


「そう…」


私は両手を後ろ手に組んだ。


「縛られ方わかるの?」


「そこの本の女の子はこうやって縛られてる」


「性癖が異性にバレるのは恥ずかしいな」


「お金払って連れ込んどいて何言ってんの?」


「それもそうか」


私はこれから縛られる。

知らない男に。


本の女の子は全裸で縛られてたくさんの玩具をつけられて犯されていた。


この本の女の子みたいに私は犯されるのだろうか。


ギチギチ…


気がつくと私の後ろ手には縄がかけられていた。肌と縄との間にシャツがあるとはいえ、薄い素材のシャツ越しに縄の感触がダイレクトに伝わる。

へー、縛られるってこういう感覚なんだ。


「ん……」


「痛かった?」


「いや…平気」


縄が胸の上を通ったとき、私は声を漏らしてしまった。平然を取り繕うが動揺が隠せない。私ってもしかしてマゾだったの?


ギチギチ…

ギチギチ…


男は手際良く私を縛っていく。


胸の上下。

それと胸の形を絞り出すように首からV字に縄をかけた。


「コレって必要あるの?」


「“映え”だよ。縛られてる感あるでしょ?」


「へぇ…」


「まぁ、こっちの方がエロいから…さ」


「それが本音か」


とはいえ私は縛られてて抵抗することなんてできないから受け入れるしか無いんだけど…


「最後は股縄だよ」


初めて聞く言葉だ。“股”ってことは股間に縄を通すのかな?

そういえばエロ同人の表紙の女の子も股に縄を通してたっけ?


思考しているうちに腰に縄が巻かれ、そこから伸びた縄が股間に食い込んだ。


「んぁ…」


やば…これ…気持ちいい……


自慰行為の、自分の指では味わえない縄独特の感触におかしくなってしまいそうだった。


「コレが緊縛だよ」


男が肩を抱き寄せるようにして姿見の前に立たせる。


「これが…私……」


そこに写っていたのはギチギチに縛られているにも関わらず頬を紅潮させ、息を荒げている艶かしい女の姿だった。


縄によって絞り出された女らしい身体。

自分のものながら性的だと感じた。


「ん…んふぅ……」


ギチィ…


試しに縄を解こうと身体を揺すってみるが、絞り出された胸が揺れるだけで解ける気配はなかった。むしろ動くことで縄が食い込み、全身に刺激が流れた。


「なにこれ…やば……」


縄によって生まれる快楽。

生まれて味わう感覚に脳が虜になる、


自慰行為…自分一人では絶対にできないこの縛り…。この縛りで逝きたい…。逝ってみたい。


「それじゃ、少し買い物に行ってくるね」


「え?」


思わぬ言葉だった。


「一人になりたいんじゃない?」


「…変態のくせにそういうことは分かるんだ」


「ヘンタイ、だからこそだよ」


「なるほど…」


「1時間は戻ってこない予定ね。そこのベッドを使って良いよ。シーツも今朝変えたばかりだから安心して。」


「…ありがとう……」


そう言って男は部屋を出て行った。


__________________________


「ヤバ…本当にギチギチじゃん…」


一人きりの室内で改めて自分の身体に飾られた縄を見やる。縄が食い込んで服の上からでも自分の胸の膨らみ、そして形がくっきりとわかった。


「お尻も…あはは…食い込んでるなぁ」


振り返って姿見を確認すると股縄がお尻の形をくっきり表すように食い込んでいて、まるで下着をつけている意味がないような格好だった。パンツスーツなことも相まって股縄がとても性的に映っていた。





「私は…囚われの身……」


腰をヘコヘコを動かす。股縄が擦れるような動き方を必死に探す。


「ん…」


今、食い込んだ…。

ベッドに座り、秘部をベッドに擦り付けるように身体を動かす。


「だ…だめ……」


なんの玩具も使わずにベッドの上で果ててしまった。こんな快感は初めてかもしれない。縛られただけでこんなに気持ちいいなんて…。


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