人体を幾何図形などの単純形態に置き換える方法をよく見かけます。
教えている先生によって方法が結構異なり、
例えば骨盤は大きく分けて以下の3つに分かれます。
・バケツ型
・箱型
・車輪型
まずはバケツ型。ゴットフリード・バメの書籍などに見られる簡略化です。
バメスの場合はさらに面取りをして、より骨盤に近い簡略図も描いています。
箱型。『モルフォ』シリーズなどに見られます。
箱型は見上げ視点など遠近感をつける場合に便利です。
ドローイング系の美術解剖学でよく使われていて、
稜線が明瞭なので明暗なども考慮されているのかと思います。
車輪型。現代ではあまり見かけいない方法ですが、
アンドリュー・ルーミスが図示した方法です。
股関節を中心に内向きに傾いた車輪状の骨盤を描いています。
ルーミスの本は今でも引用している先生がいるので、
見たことがある人もいるかもしれません。
どうしてこのような解釈の違いが出るのでしょうか。
端的に言うと対象をどう捉えているかによる個人差が出ています。
例えば、箱型は遠近法を重視していると言えますし、
車輪型は運動を意識しているともえます。
ちなみに私はバケツ型で教えています。
骨盤は内臓をおさめる「容器」と認識しているからです。
幾何図形を用いた簡略図には、その人の思想が反映されます。
単純な形は覚えやすく再現しやすい反面、
抽象化が進んで生物的な機能が失われていきます。
形を単純化して学ぶ場合、「骨盤は容器」といった機能面も考慮すると、
単純化しても整合性が取れやすいと思います。
デフォルメする際に頭の片隅に入れておくと良いでしょう。