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アルトリア(槍)が王を辞めて偉大な雄のオナホになる話

 そもそもの話ではあるが。

 私がアルトリア・ペンドラゴンであり、彼女がモルガン・ル・フェである以上は、我々は相容れぬ存在である。お互いを肯定することはできず、否定しすることしかできない。これが大前提である。

 しかし私は、殊更争うつもりもない。

 彼女は異聞帯のモルガンである。汎人類史のモルガンとは異なる生まれを持ち、人生を持った、よく似た別人であるし、何より——彼女は誰よりも、ブリテンを愛していたのだから。

 思うところがない訳ではないが、争う気にはならない。

 故に、近づかない。顔を合わせなければ争うこともない。

 それが一番だろうと、そう思ってはいるのだが。

 あそこまで同じ顔、声をされていると、多少、動向が気になるものだ。

 特に——私の知る妖妃(あねうえ)のような、悪辣、残虐、そして、淫蕩。そのような振る舞いの片鱗を、噂程度にでも知ってしまったとしたら。

……止めないわけにも、いかないのだ。


 ◆


「——つまり、お前はこう言うわけだな、大きいアルトリア。私が夜な夜な、品格もへったくれもない乱痴気騒ぎに参加している。むしろその筆頭格である、と」


 モルガンのマイルームは、最低限の家具が備えられたデフォルトの状態に近かった。

 ただ唯一、玉座と思しき椅子が部屋の中央にドンと置かれている。備え付けの全てを無視するような配置だが、シミュレーターに篭っていることが多い彼女はマイルームに、ひいては汎人類史に興味が薄いのだろう。

 だから私も、シミュレーターの方が空振りでこちらに彼女がいたことに少し驚いている。


「そうとは言っていない。真偽を確かめに来た、というのが正解だ、姉上」


 私がそう言うと、彼女は眉間に皺を寄せ、玉座の上で足を組んだ。


「姉などと、心にもないことを。遂にお前がその気になったと、決戦術式を十数編んだというのに。即席で」


 その手は杖──もとい魔槍の柄を握りしめたままだ。

 警戒されるのは当然と言えよう。

……それにしても、だ。

 彼女は、私の姉上ではない——筈である。汎人類史のモルガンの記憶を持っているだけの別人だ。

……記憶を持っているだけで、ここまで敵対心を抱かれるものか。

 正直、感心する。姉上の私への憎しみというのはブリテンへの想いから来るものだろう。目の前の彼女にとっては他人事であるだろうに、姉上と同等、それ以上に私を憎むということからもブリテンへの想いを感じることが出来る。


「……話を戻しましょう、妖精妃モルガン。私は何も貴女に清くあれなどと言うつもりはない。どこで誰と逢瀬を重ねようと貴女の自由だ。だが」


 だが。これを口にするのは、私としてもばつが悪い。


「……だが。その派手な遊びに、私の騎士が参加しているとなれば、苦情の一つは入れたくなる」

「モードレッドもガレスも私の娘だ。目をかけて、可愛がることに何の問題がある?」


 心にもないことを、などと、よく言ったものだ。あるいは意趣返しのつもりか?


「……汎人類史のモルガンの娘、だろう」

「——フ」


 その笑いは何に対するものなのか、私には分からない。

 ただ、その笑い方は妖妃(あねうえ)によく似ていた。私の知るモルガンはここにいない筈であるのに、彼女の後ろに立って同じ笑みを浮かべているような気がして、多少の不快感があった。

 顔に出してしまっただろうか? そんなつもりはないが、モルガンはその笑みを形作る唇を、ほんの僅か、釣り上げたように見えた。


「——争う気がない、と言うなら、それでも良い。少し話そうではないか、アルトリア——妹とは言わずとも、遠縁の親戚のようなものだ。貴様に、紹介したい男もいる」


——その刹那。背後に何者かの気配を感じた。

 いつからそこにいた? 気配を消して潜んでいた? 今この刹那の間に出現した? モルガンに気を取られ過ぎて、普通に入室してきたことに気が付かなかった?

 そのどれが正解であるのか、分からなかった。

 しかし、彼女の紹介というものが言葉通りのまっとうなものであるとは限らない。

 モルガンが言葉を言い終わるよりも早く、私は振り返る——!

 

「——あ」


 そして、私は——何も、出来なかった。


「我が夫。貴様が言う乱痴気騒ぎにおける、私の相手だ」


 不思議と、その言葉に驚きはなかった。

 私にはそこにいる男性が、ごく普通の、一般的、という言葉の範疇に収まる男性にしか見えなかった。

 いや——一般的と言っても、ごく平均、と言うわけではなく、それなりに容姿が整っている——いわゆるハンサム、であるとは感じるのだが。絶世の、というわけでもない。

 あのモルガンのパートナーにしては、平凡である。


「フフフ。騎士とは礼節を重んじるものだろう。挨拶ぐらいしたらどうなのだ?」

「っ……サーヴァント、ランサー。真名……アルトリア……ペンドラゴン。ブリテンを治めた王……です」


……モルガンに指摘されるまで、思考が止まっていたとでもいうのだろうか。

 咄嗟に名乗るが、この男を相手に真名まで開示する必要があったのだろうか。カルデアは聖杯戦争とは異なる。誰もかれもが真名を名乗っているのだから、隠す必要がないと言えばその通りでもあるが。

 そのような考えで、停滞した思考がぐちゃぐちゃに埋め尽くされる。

 そして何よりも、妙なことは。


「……そう、ですか。素敵なお名前、ですね」


 必死になって、ようやく、それでも吐き出す様にしか言葉を紡げない。

……思考を妨害する、この胸の高鳴りはなんだ?

 私の考え、脳内の独り言をかき消すかのように、バクバクと心臓が鳴っている。

 戦いの前にも、勝利を収めた後にも、感じたことがない……これは、高揚、か?

 戸惑いを感じずにはいられなかった。


「むっ、胸……ですか!? は……い。別に、構いません、が」


 だが。しかし。それにしても。

 咄嗟の、反射的な言葉──と言うには、言葉を出し過ぎた。

 思考が完全に止まり、何も考えることが出来ず、ただ肯定してしまった、というのが正解である。

 初対面の男性に、乳房に触れてもいいか、などと。無礼極まる問いかけをされて、私は、頷いてしまった。


「あッ……♡」


 背後から抱きつくように身を寄せられ、そのまま乳房に彼の手が伸びてきた。

 彼は私より長身であり、首を傾げるようにして見上げる形になる。

 極めて至近の距離に彼の顔があり、それを見ていると、何故だか顔が暑さを覚えた——身をぴたりと寄せているからかもしれない。


「乳首が大きい? そう、なのでしょうか……自分では気にしたことが……んッ……♡」


 彼は慣れた手つきで私を弄ぶ。

 乳頭を、牛の乳を絞るように擦られると下腹の辺りにキュッと、引き締まるような感覚があって、それにつられて腿を強く閉じてしまう。

 内股になった時、私は初めて、自分の秘所が濡れていることに気づいた。


「はいっ……そう、ですね、感じて……いるよう、です……♡ どうやら貴方は、とても、愛撫が上手いようだっ……♡ 女慣れ、しているのでしょうね。手つきに、迷いがないっ……♡」


 女の乳房、特に乳首に触れる、という行為は……性行為における愛撫であると、言えるだろう。

 だから、私がそれをされて感じることも、濡れることも、正常な生理現象である。

 私とて、初心な乙女というわけではない——しかし、彼に乳頭をキュッと締められる度に全身が痺れ、乳が張り、熱くなっていく、それが正常な反応であるのかは……分からない。


「あぅッ、はぁッ、はぁッ、待って、もらえま、せんかっ……何かっ……胸の奥から、何かがっ……」


 静止に入るが、語気を強くすることはできなかった。

 額に浮かんだ汗で前髪が張り付き、熱を持った頭は茹ったかのように働かない。

 彼が乳頭を、根元から先端へ、絞るように擦ると、次第に胸の熱さが先端のほうに移動してきて——。


「ふぁぁッ、あぁぁッ♡ でっ……射乳るぅッ♡」


——私の乳頭は、思い切り乳を噴いた。

 幾重もの白く細い筋が宙に広がり、交差し——シャワーのようだった。


「それだけ馬鹿みたいに大きければそういうこともあるだろう」


 私の母乳で顔を濡らしたモルガンはそれ自体にはなんのリアクションも見せず、クスクス笑うばかりだった。その嘲笑と思しき声が耳に届く度に、羞恥を覚えた顔が熱くなる。

 まさか、彼女の仕業か?

 そのような──未妊の女に、母乳を噴かせるなどというふざけた魔術は聞いたこともないが、彼女ならば、出来るか出来ないかで言うならば──出来そうだ。


「なっ……何をした、モルガンッ……私の、身体にっ……!」

「私が? 何もしていない」

「嘘をつくなっ、ならば、どうしてっ……!」


 私がモルガン相手に語気を強めている間も、彼は私の乳頭を絞り、その度に勢い良く母乳を噴いてしまっている。

 滑稽極まる様に気づいていても、それでも彼女に問わずにはいられなかった。


「その答えを私は知らん。だが、私も経験済みではあるのだから、仮説を立てることはできる——お前の身体が雌になっているのはないか、アルトリア?」

「なっ……!?」

「ブリテンの騎士王ともあろうものが、乳首を擦られただけで乳を噴くとはな。フッ——貴様はとうに女を捨てたものだと思っていたが」


 言葉が出てこなかった。モルガンはその間に、勝手な推測からなる嘲笑を私に向ける。


「馬鹿なっ……そんなことがっ……仮にそうだとして、母乳を出すなどっ……」

「お前の騎士の身体。武芸を身につけ、数多の冒険を乗り越え、強敵を打ち倒してきたその身体が。ただ一人の男と交わり、精を受け、孕み、産む。それを望み、そのように変化する。無いと言えるか? 我々の肉体は所詮、編まれたエーテルだ。生身の肉体の常識が通用すると思うか? 何より——実際に今、そうなっているだろう」


——分からなかった。

 そんなことがあり得るのか?

 彼女は適当なことを言って煙に巻こうとしているのではないか?

 その疑問が頭から消えることはなく——しかし、彼と正面から向き合い、そして抱きしめられた私には、何もわからなかった。


「人間はよく言うだろう。不可能を可能にするものがあると——即ち、恋だ。それが恋なのだ、アルトリア。理性に逆らい、本能だけで突き進んでしまうその青い情動──我々には不似合いではあるがな。しかし、それは理屈ではない」


 彼の胸の中に抱きしめられた。すると全身が彼の体温と香りに包まれる。

 それを認識すると同時に、私は──私の身体は、融けてしまった。

 全身から力が抜け、虚脱する、その中で唯一、下腹──子宮だけがギュゥッと強く疼く。


「貴様には分かるはずだ。貴様は目の前の男に恋をしている。一目惚れだ。ただ一眼、彼の姿を視界に入れただけで、自らの全てを捧げても良いと。例え報われなくとも、それでも心身全てで尽くしたいと。そう感じたのだろう?」


 私の秘所には互いの衣服越しに彼の性器、その幹が当たっている。

 堪えようとは努力した。しかし私の身体は脱力していって、完全に腑抜けになる直前。

「んぁっ……♡」


 割れ目は潮を拭き、二人の衣服を濡らした。

──それは、ともすれば私の体の、最後の抵抗だったのかもしれない。私の名を。騎士としての誇りを守るために——彼の男性器を、押し返すために。

 しかし女の潮程度でその逞しいペニスが揺れ動く筈もなく。

 私はただ、漠然とした、格差──殿方と雌──頂点と下々──私と彼。

 ただ、生き物としてのランクが違うのだと、感じた。

 そのペニスがドクン、ドクンと脈打つのが伝わる度に、私の膣はキュッと緊張、弛緩を繰り返す。

 彼の脈動に合わせて、私は軽度の絶頂を迎えていたのだ。


「……私一人に喋らせていないで、声をあげてみたらどうだ、アルトリア。簡単だろう? 私の馬鹿げた仮定を否定することなど」


 ああ、そうだ。簡単だろう。ただ一言、言葉を発するだけでいいのだから。

 だが——だが。


「——私は」


──これを挿入されたら、私は終わる。

 直感が働いていた。

 まるで、未来視のようだった。リアルな映像、質感。息遣いや体温さえ感じられたその幻視の中で、私は──どうしようもないほどに、ただの女だった。

 男に抱かれる事を悦ぶ。

 男が悦ぶ事を喜ぶ。

 それはサーヴァントのスキルによるものではない。研ぎ澄まされた直感は、若さとともに失ってしまったのだから。

 この感覚を異常と感じるのは理性に他ならない。だから——この強い欲求。乳房、子宮——心。肉体上は女である私の、女である部位を疼かせるのは——私の本能、なのか?

 その中で、私は——初恋に浮かれる、村娘のように——相手の本心など、読み取ろうともせずに——ただただ、抱かれることを喜び、快感を与えられることに悦んでいた。


「問おう、騎士よ。貴様はなんだ?」

「——答えます、姉上。私は——アルトリア・ペンドラゴン。一人の殿方に恋をした——ただの女、です」


 姉上が小さく、一瞬、笑う声が聞こえた。

 それは、嘲笑ではなかった。


「貴方という存在に比べれば、私など……人の王などと、あまりに矮小で、些細……意味のない肩書だ。それに気が付かなかなかった……いえ、目を背けていたことを……お詫びします。申し訳、ありませんでした」


 私が彼の胸の内に顔を落とす様に伏すと、彼は顔を上げるように言う。

 それに従い、彼の尊顔を視界に入れた——その瞬間。


「んっ——」


 唇と唇が、重ねられた。

 甘さという名の歓喜が全身に広がり、切なさという名の物足りなさ、貪欲さがちらりと顔を出す。

 唇が離れて——しかし、感じた思いを口に出すのは——憚られる。浅ましい女だと、彼に思われたくもない。


「これ以上は——貴方は、モルガンの伴侶でしょう?」

「貴様が伴侶という概念を重く見ているとは知らなかったな」


 痛いところを突いてくる。理由があった——などと言うつもりもない。それが私の国、そして円卓崩壊の一因となったことを否定するつもりもない。


「だが、私は貴様がそういう物言いをすると知っている。だから言ってやろう──貴様、もうそんなもの、どうでも良くなっているだろう?」

「……そんなこと」


 おずおずと彼を見上げる。

 目と目が合った瞬間、やはり頬に火がついたかのように熱くなり、目を逸らしてしまう。

 胸を揉まれることに対しても、私は快感を覚えた。だが、それよりも強く……嬉しさもあった。

 彼が私に興味を持っている。例え身体目当て、身体しか見ていないのだとしても、それでも嬉しくて頬が緩んでしまう。

……どうも私は乳房が豊満で、男性からすれば魅力がある身体であるらしい。そのことに、初めて感謝している。

 彼の望むことならば全て受け入れてあげたい──そんな風に思ってしまう。

 倫理的には憚られることだが、彼が多くの女を侍らせたいと言うのならば好きにすれば良いと思うし、私を抱きたいと言うのなら──私は、衣服を脱いでも——構わない。


「ふぅっ……」


 自らの胸元に手を伸ばし、乳房を覆う布に指を引っ掛け——迷いを断ち切るように、思い切り引く。

 勢い良く衣服が下がり、反動で胸がぶるんと弾んだ。

 それが私にできる、精一杯の合図だった。


「あっ……お、重くは、ありませんか?」


 私を担ぎあげ、ベッドに運ぶ彼に問うと、彼からは涼し気に否定の言葉が返ってくる。

 力が強く、逞しい——そんな男性はこれまでに数えきれないほど見てきたはずであるのに、そんな些細なことが非常に魅力的に思えた。


「……もう、拒みません。私の……アソコに……」


 精一杯ねだろうとすると、彼が耳元で囁いてくる。

 その淫らな言葉に、私は更に頭——脳が熱くなるのを感じた。しかし、既に茹った頭は、融けてしまっている。

 周知を感じつつも、抵抗はなかった。


「私のっ……おまんこに……貴方のおちんぽをっ、ください……私と……生ハメセックス……して、ください♡」


 拙い誘惑であるが、彼は満足してくれただろうか。

 それは分からないが——私の膣には、彼の肉槍が突き立てられた。


「ふうぅぅぅッ、くうぅぅぅぅッ……!」


 ぐッ、ぐぐッ——ぷちっ。

 私の狭い膣中が押し広げられて——何かが、破れた。

 鈍い痛みがあって——ああ、そういえば、私はヴァージンだったと。夜の営みでは男役を務めたことしかなかったと、思い出した。

 痛い——これまで数多の傷を負ったが、身体の内に受ける傷というのは、こうも痛むものか。

 しかし、それよりも。

 何よりも——嬉しかった。


「あぁッ……これが、破瓜の悦びっ……♡」


 女として生まれて、女を捨てて——女になった。

 今、初めて、私は自分が女であることを強く認識していた。


「私でも、分かりますっ……貴方は、とても魅力的な人だ……そのような方に、女にして頂いてっ……嬉しく、思います」


 膜が破れたところで、彼の挿入は止まっていた。その優しさが心に染みる。


「最も、カビの生えたようなヴァージンなど、貰っても嬉しくはないでしょうが……ふふっ。ありがとうございます。口が上手く……そして、優しい人だ」


 さらに大きな優しさで上塗りされて……最早私の心は、彼への思いで埋め尽くされてしまった。

 脂汗を浮かべた顔ではあるだろうが、精一杯微笑みを浮かべる。


「……貴方に処女を捧げられたこと。これまで、処女を守ってこられたこと。より嬉しく思います……大丈夫です、奥まで……続けて、ください」


 そして、抽挿が始まった。


「あッ……♡ あぅっ、あんッ♡」


——ずぐっじゅぷっじゅぷじゅぷっ♡

 既に濡れていた私の膣中は、肉棒が潜り込んできたことで蜜が押し出され、その肉槍の根元までをしとどに濡らしたのだろう。

 たっぷりと潤滑剤をまとった抽挿は、痛みを薄れさせて——いや、快感で、塗りつぶしていく。


「はっ。初めてで感じる女はっ、珍しい、の、ですかっ? はぁっ、すみませんっ、私はっ……淫らな女、だったのですねっ……」


 私としては——信じられないことだ。

 こんなにも気持ちが良く、夢見心地……夢に包まれているかのような行為で、快感を得られない女がいることに。

 それほどに、彼の優しい抽挿で得られる快感は大きかった。


「……ならばっ、私は……私はぁっ……貴方が望むのならっ……どこまでも淫らな女になりたいっ……♡」


 痛みは既に感じなくなっていた。

 快感——好意——それらが合わさった彼への愛が、胸からあふれそうなほどに膨れ上がっている。

 彼のためならば、どんなことであろうとも。

 彼を悦ばせられる、女になりたい。

 故に私は彼にねだる。


「お願いしますっ……私を、淫らにしてくださいっ……貴方のものが、私の膣中を擦る度に、私の知性や、プライドや、誇りが、削られていくのが、分かるんです……もっと、削ぎ落としてぇっ、んっ……貴方の……おちんぽしか、考えられないっ……おまんこでモノを考える女に、なりたい……♡ おぉッ♡」


 秘所が掻き分けられる度、柔軟な肉が彼のサイズに馴染んでいく。拡張されていく。

 恐らく、長く太いだろうと思われる彼のおちんぽのサイズに慣らされては、他の男には緩く感じられ、私は物足りなさを感じるだろう——そのつもりもないのだが。

 もう私の広がったおまんこでは彼のおちんぽでしか感じることはできない。

 私のおまんこは彼のおちんぽを悦ばせることしかできない。

 私が、彼専用になっていく。彼のための身体になっていく。

 そのことが——何よりも、嬉しい。 


「私はっ——貴方のっ——貴方のためのっ——おまんこになりたい——♡」


 それが私の、本心だった。


「貴方が見ているものがっ……私の体だけだろうと、構いませんっ……♡ 貴方のおちんぽをっ、挿入られるために……挿入られるためだけのっ……器にぃっ……♡ 貴方が、セックスしたくなった時にっ……いつでも挿入出来る、穴にっ——♡」


 興奮を煽ることが、出来たのだろうか。

 彼のペースが激しくなり、がむしゃらに、といった激しさで突き立てられる。

 彼の長いおちんぽは私の最奥、子宮までを簡単に内貫く。

 その度に脳が揺れ、内臓が口から飛び出るのではないか——と思わさせられるぐらいの衝撃に襲われて——私の視界も、思考も、真っ白になっていく——。

 

「はっ、ひゃいっ……♡ なりますぅっ……♡ オナホールっ……♡ 性玩具っ……♡ 私はっ……貴方専用のぉほぉッ……おぉっ、おまんこ穴ですぅぅぅぅゥゥゥゥッ♡♡♡」


——びゅくっびゅくびゅくっどびゅくくっ!

 精液とは、白いもの——その程度の認識はある。

 射精を受けた瞬間、私の視界は完全に、真っ白に染まっていて——しかし、燃えるように熱くて——私の全身は、精液に包まれていたのかもしれない。

 そう思った。


 ◆


 目が覚めた時、私はベッドの上に寝ていて、室内は暗闇に包まれている——そして、彼の姿はなかった。

 ゆっくりと体を起こすと、部屋の中央にある玉座が目に入る。

 足音を立てないように歩み寄って、覗き込むと……案の定というべきか、予想通りに、そこに裸体のモルガンの姿があった。その身は白濁に塗れていて、何度も何度も、私より激しく犯されたのだろうと、分かる。

 彼女は……初めから起きていたのか、私の動きで起きたのか。それは分からないが、彼女は目を開いていて——そのアイスブルーの瞳が、こちらを見据えていた。

 

「——生まれて初めて。そして恐らく、あらゆる世界の中で——同じ存在となったな。アルトリア」


 胸に湧き出てきた感情がどんなものであるのか、自分でも良く分からなかった。

 嬉しいのか、不快なのか、悔しいのか。


「——そうですね。姉上」


 いまいち、判然としないが——少なくとも、悪い気分ではなかった。



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