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中世ヨーロッパにおけるf/m至上主義の教会

__15世紀ヨーロッパ某国にて


「ねぇ、あなた。少し買い物に出掛けてくるね」


「あぁ、わかった。いってらっしゃい、エマ」


ここしばらくは書斎に籠りっきりだった。

買い物に行くという妻の言葉を、どうして俺はあの時手元の書類に目を落とし筆を走らせたまま返事をしてしまったのだろう。


それが、俺がエマから聞いた最後の言葉だった。


___________________

__1週間前


町の中央には噴水のある広場があり、真っ直ぐ行くと教会や学校。東側には商店街。西側には飲み屋がある。


俺は大学を卒業した後、生まれ故郷であるこの街に戻り、幼なじみであるエマと結婚をした。


小さな一軒家で暮らし始め、程なくして俺は学校で地域の子供達に英語やラテン語を教える職に就いた。


授業は週に3回程で、自由な時間も多い。

子供達は元気いっぱいで、最初の頃は中々教えることに難儀していたけれど、最近は少しずつ真面目に聞いてくれる子も増えていった。


ただひとつ問題があるとすれば…


「せんせ~!こちょこちょ遊びしよ!」

「どこが弱いのか調べてみたいな~♪」

「思いっきり笑わせてあげる~♪」


授業終わり、3人の女子生徒達が指をワキワキと動かしながら取り囲んでくる。


「ごめん!先生次の授業に行かないといけないから、また今度遊ぼうね?」


「え~、つまんないの~…」


くすぐり遊びが流行っているのだろうか?

学校の休み時間や、街中でも大人の女性が男性をくすぐって遊んでいる光景を最近よく見かける。


妙な違和感を覚えつつ、何事もなく仕事を終えて帰宅する。


「おかえりなさい♪ご飯できてますよ♪」


「あぁ、ありがとう!いただくよ」


エマは幼い頃からずっとこの街で暮らしていた。

俺が大学で街を離れていた期間に何かあったのだろうか?


夕食中、温かいスープとパンを食べながらそれとなく聞いてみることにした。


「なぁ、エマ。聞きたいことがあるんだけど」


「なぁに?そんなに改まっちゃって~♪」


「今日学校や街中で女の子が男をくすぐって遊んでいる光景を度々見かけたんだけど…なんか流行ってるの?」


一瞬、エマはピタッと表情を強張らせたように見えた。

けれど、すぐに柔和な笑みを浮かべて静に話始める。


「そうだよね…カミルは大学でちょうどこの街に居なかったもんね。でも、話しても信じて貰えないかと思って…」


「一体何があったの…?」


「今から3年くらい前のことなんだけど__」


エマから聞いた話を俺はすぐには信じられなかった。

3年前に教会内部でクーデターが起こり、首謀者は女性のシスターだという。彼女達は従来の聖書解釈からは大きく異なる思想を持っており、"聖なる女性"が国を支配するべきであると主張している。


そして、"女性によるくすぐり"によって誰しもが笑顔で天国に行けること。反対に、"男性が女性をくすぐる行為"は重罪であり、死刑に値するものであり、死後に地獄へ落ちるのだという。


「馬鹿馬鹿しい。そんな筈は……」


「私だって、最初は冗談だと思ってたよ!でもね、従来の保守派の男性や学者は皆、教会の手によって"処刑"されたの。それも、火炙りとかじゃないんだよ?街の中で磔に拘束して、笑い死にするまで"処刑人"と呼ばれるシスター達がくすぐるの。くすぐりなんて子供のお遊びだと思うでしょ?でも…大の大人が全裸で磔にされて、全身にオイルを塗られて複数人から全身をこちょこちょされて、どんなに泣いて笑い狂ってもやめてもらえずに過呼吸になって……火炙りよりも恐ろしい処刑を見て、この街の大人は全員、教会への恐怖と忠誠心を誓わされたの…」


「…………………」


エマは真剣な表情で、何かに怯えたように語っている。にわかには、まだ信じがたい内容ではあるものの、嘘を言っているようには思えなかった。


「そうだ…ところで、アルベルトはどうしてる?神学を学んで少し前にこの街に帰ったと手紙を貰ったけど…」


ふと思い出したかつての旧友であり、自分と同じく大学へ進学したアルベルト。幼い頃から気弱な性格で、敬遠なクリスチャン。彼は今どうしているのか気になり、エマに聞いてみたけれど、またしても憂鬱気な顔をしていた。


「アルベルト君は…元気…だよ?3ヶ月くらい前に帰ってきてね、その翌日…姿を消しちゃったの。」


「………え??」


「恐らくなんだけど、夜中にアルベルト君の家に誰かが押し入って連れ去られたらしいの。あまり大きな声では言えないけど…教会の人達だと思う…けど、つい先日、カミルが街に帰って来た3日前くらいにアルベルト君の姿を街中で見たの。それで声をかけたんだけど…怯えたように『ごめんなさい』を繰り返して…パニック状態になって…今は家に閉じ籠ってるんだと思う……」


「…そんなことが………」


エマの話から推測するに、恐らくアルベルトは教会による何らかの"拷問"を受けた可能性が高い。まさかとは思うが、拷問にくすぐりが使われていた…?いや、そんな馬鹿げた話は聞いたことがない。


「そうだ。明日は授業が無いし…アルベルトのところに行ってみるよ。」


「…うん!きっと、アルベルトも喜ぶと思う…!」


明日、手土産に酒でも買ってアルベルトの家に行こう。いや…確かあいつは昔っから甘い焼き菓子の方が好きだったかな。


この街で何が起きているのか、アルベルトから聞き出せるといいが……


夕餉を後にして、明日に備えて早めに寝床に向かうことにした。


_____________________

6日前


午前中に市場で手土産を買って、エマから渡された地図描きを頼りにアルベルトが住む住居へ向かっていた。


「え~っと…この辺りかな…?」


どうやら今は一人暮らしをしているようで、入り組んだ路地をあちこちと進んでようやくたどり着いた。


ノックをして、「おーい、アルベルトいるかー?俺だよ俺!カミルだよ!」と声を掛けてみる。


しばらくして、ゆっくりと鍵が開く音がして扉が開いた。


「……静かに…!早く入れ!」


「え、あぁ、悪いな、もしかして寝てた…?」


久々に会うアルベルトは、昔の面影とは随分と違っていた。ボサボサの髪に無精髭を生やし、衣服もボロボロになっている。


「……何しに来た…?」


「実はさ、エマからお前に何かあったのかもしれないという話を聞いて心配で…ほら、昔好きだった焼き菓子を買ってきたんだ?よかったらお茶でもしないか?」


「……………教会には関わるな……」


「え……?」


「少し待っていてくれ。」


アルベルトは意味深な言葉を残し、奥にある書斎らしき部屋に行ってしまった。


"教会には関わるな"…か。どういう意味なのだろう。

やはり、この街は俺が知っている面影を無くし、エマの言っていた内部のクーデターが起こって__


それで、アルベルトはどうしてこうも怯えているのだろう?


誰に?教会の司祭?女性__くすぐり__?

いや、まさかな。そんなこと……


玄関先で立ったまましばらく思案に耽っていると、ようやくアルベルトが奥の部屋から出てきた。手に何か1冊ノートのようなものを持っている。


「これを君に渡しておきたい。頼む。何も聞かずに受け取ってくれ…!」


「……あ、ぁぁ。わかった。」


アルベルトは真剣な表情で俺にノートを手渡して頭を下げていた。その気迫に押されるように、何も言わず年季の入ったノートを手にして、それ以上は何も話さず、お土産に買った焼き菓子を置いて家を後にした。


__その翌日から、再びアルベルトは失踪した。


___________________

異端の書


アルベルトから手渡されたノートは、端的に言ってみれば"暗号"だった。


ノートには意味があるなか無いのか分からないラテン語の羅列。まるで「お前なら解けるはずだ」と言わんばかりだ。


アルベルトから受け取ったノートのことは、一応エマには内緒にしていた。きっと、これは自分に託した大切なものであり、言ってみれば"男の友情"とでも呼べる代物だ。


書斎にある本棚の奥へと隠し、夕食のあとこっそりと取り出して謎解きを試みる。


最初は遊びのつもりで暇潰し程度にしか考えていなかったけれど、エマから「アルベルトがいなくなった」と聞かされた時には嫌な予感と、冷や汗が止まらなかった。


アルベルトの家に行ったことがバレれば、俺やエマの身も危ないかもしれない。家を出る時や、学校で授業を行っている時は殊更に用心深く、怪しまれないように、ごく自然に平静を装っていたのだった。


そして、家に帰って唯一の手がかりであるノートの解読を進める。約3日かかって分かったことは、郊外にある山と山の間に宝箱があるということだった。


**

「っぁぁっ、はぁっ、はぁっ…本当にこんなところに宝があるのか……?」


アルベルトの手記に書かれていた暗号と手書きの図から、おおよその位置や道のりは分かった。


木々が生い茂り足下も急勾配の山を登り続け、もうそろそろ体力が限界を迎えそうな頃…


「ん……あった!!」


山の中腹。古びた大きな木箱を見つけた。

深呼吸をして恐る恐る開けてみると……


「なんだこれ……何かの研究資料……??」


中に入っていたのは大量の書籍やノート。

もしかしたら金銀財宝が入っているかもしれないという期待は吹き去ったものの、一応中に入っている資料を読んでみる。


「……天体の観測記録……?こっちは宗教解釈におけるくすぐりについて……??」


どうしてこんなものが、こんなところに厳重に眠っていたのだろう。アルベルトのノートには、最後のページに「木箱にこのノートを入れておいてほしい」と記されていた。


約束通り俺はアルベルトのノートを木箱の中に置いて、パタリと蓋を閉じた。


それにしても、アルベルトは何を研究していたのだろう?


うっすらと分かったことは、"女性が男性をくすぐりで支配する社会"への意義申し立てを試みようとしていた。


それが教会に目を付けられるきっかけだったのかもしれない。ともかく、アルベルトから頼まれたことはやりきった。


失踪したアルベルトの行方が依然不明であるものの、街中で下手に聞き回ったりすることは自分の身が危険だとエマに言われて動けずにいた。


いっそ思いきって、単独で教会へ乗り込んで内情を探るか__いや、それは流石に向こうの思う壺だろうか。


そんなことを考えながら下山して街へと戻ったのだが、どうにも人の視線を感じるような気がする。


若い女性達がチラリと自分の顔を見ては、すぐに何事も無かったかのように視線を反らせる。


考えすぎだろうか…?


違和感を覚えながらも自宅のある通りへと入る。

あれ…?家の前に誰かいる…?修道服を着ている女性…?


「こんにちは、何かご用ですか…?」


「こんにちは♪カミルさんですよね?」


「えぇ…そうですけど……どうして私の名前を…?あなたは……?」


「申し遅れました♪私は司教のアンナと言います♪この街を統治している、言わば責任者がわたしです♪」


「なっ…!?バカな…!そんなはずは……」


「カミルさんは、"聖戦"時には隣国の大学に通われていたとお聞きしていたので、驚くのも無理はないかと思います。ですが、今は時代が変わりました。"女性がトップに立ち、男性をくすぐりで支配する"。笑顔の絶えない、幸福で明るい社会を目指しているのです♪…ご理解、いただけますね?」


「…っ…!?」


アンナと名乗る女性は、確かにオーラを感じるような雰囲気と、それ以上反論を許さぬような迫力があった。


ニッコリと口元は笑っているのだけれど、喉元にナイフを突き付けられているかのような殺気を感じて思わず冷や汗が流れる。


息が止まり、無限に思える緊張が、フッ_と軽くなる。


「ふふっ♪今日のところは見逃してあげます♪また、近々お会いすることになるでしょうね、カミルさん♪それでは、ご機嫌よう♪」


「ぁ…ぁぁっ……」


従者達を連れて、アンナは去って行った。


一体なんの用だったのだろう…?それに、最後の言葉は一体…?ひとまず、家の中に入ってから考えることにした。


_____________________

エマとのくすぐり


その日の夜、俺はエマに今日起こった出来事の一部始終を話した。アルベルトの手記の内容や、山にあった宝箱のことは伏せて、その帰り道のこと。


街中で住民達から視線を感じたことや、家の前でアンナという司教に出会ったこと……


俺が「アンナ」という名前を口に出した瞬間、エマはピクッ、と身体を強張らせていた。


「ねぇ、カミル?何か危ないことしてるんじゃないよね?何か知ってるなら正直に話して?」


「何も危ないことなんてしてないよ!」


「そう…?じゃあ、アルベルトから受け取ったノート。どこにやったの?」


「………家の暖炉で燃やした。」


「………そう。分かった。…ごめんね、急に変なこと聞いちゃって♪でも、カミルに何かあったらと思うと……」


「俺の方こそ、エマに心配かけさせてごめん。逆にエマに何かあったら、絶対に俺が助けるから!」


エマは少し泣いているような、戸惑っているような、複雑な表情をしていた。アルベルトは相変わらず家には戻っていないようだし、ここ数日、数年の間に本当に街や国の体制が変わってしまったのだろう。それで、エマも戸惑っているのだと、この時の俺は勝手に解釈をして、無理やりにでも自分を納得させようとしていた。


夕食を終えて、明日の授業に使う資料をまとめ終わり、ようやくベッドに倒れ込むように寝転がる。


今日は久々の山歩きで疲れたな……


早く眠ろうと思っていた時、コンコンコン、とドアがノックされた。


「エマ?どうしたの?」


「その…たまにはさ、2人で一緒に寝たいな~♪…なんて」


寝巻き姿のエマがモジモジと可愛らしい態度を取っている。思わず立ったまま抱き締め、狭いベッドで2人寝ることに。


最近は忙しく、そういえば身体を交わらせることもなかったと思い出した。


「ねぇ、カミル♪うつ伏せに寝て?マッサージしてあげる」


「え?ほんと??じゃあお願いしようかな」


エマからの珍しい提案に、素直にベッドの上にうつ伏せになると、すかさずお尻の上辺りにドシッと体重をかけて馬乗りしてきた。


「うぐっ……ぉ…」


「え??今重いとか言った…??お仕置きだよ??ほら、こちょこちょこちょこちょー!」


「っっぎゃぁぁぁっあひひっっ!?んぎゃぁぁぁっやめっっぁぁぁぁぁっくひゅぐっひゃっっぁぁぁぁぁっやめてやめてぇぇぇぇっぁぁぁぁっぁぁぁぁごめんなざぁぁぃっぁぁぁぁぁぁっあははははははははえ、エマぁぁぁやめてぇ!」


「あははっ♪カミルは大人になってもこちょこちょよわよわだね♪少し安心したよ♪子供の頃は私がしょっちゅうくすぐって遊んでたよね?どうどう?久々に私にこちょこちょされる気分は?」


「じぬぅぅっぁぁぁぁぁぁっえ、エマぁぁぁごめんゆるじでぇぇぁぁぁぁっぎゃぁぁぁっあはっっい、息でぎなぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっあははははははははははは!!!」


衣服越しに脇腹にあるくすぐったいツボを的確にもみもみと指先で刺激するようにくすぐられ、目から涙が溢れてひぃひぃと笑い狂わされて口の端から涎が枕に垂れてしまう。


手や足をバタバタとさせて必死に抵抗して逃げようと試みるも、エマはまるで乗馬を楽しんでいるかのようにしっかりと脚で胴体を挟み込み体重をかけて押さえつけながら無慈悲にねちねちとくすぐり続けていた。


子供の頃、そう言えば近所の草原で寝っ転がって昼寝している時、エマに馬乗りされてこちょこちょされていたことをふと思い出した。


懐かしい気持ちと同時に、脇腹に襲いかかる容赦のないくすぐったさに本気で「ごめんなさい」をしてしまう。


「ぎゃぁぁぁっぐるじぃぃっぁぁぁぅごめっ、ごめんなざぃぃぃっぁぁぁぁっや、やめてくださぃぃぃっぁぁぁっぁぁぁぁっあははははははははは!!!」


「も~、大人になったのに相変わらずよわよわで情けないな~。でも今日のところはこのくらいで勘弁してあげる♪」


「…っぁぁっ、はぁっ、っぁぁっ、はぁっ、げほっ、ごほっ……っぁぁっ、はぁっ…な、なんで急にくひゅぐり…」


「教会が制定した決まりでね、夫婦やカップルは女性が男性をこちょこちょしてスキンシップを取らないといけないの。だから毎晩くすぐりマッサージしてあげるから頑張ってね、カミル。」


「そ、そんな……!」


"嫌だ"と、言ってしまえば俺もエマも教会に捕まりそうな気がして、それ以上は何も言えなかった。


「じゃあおやすみ、カミル。ちゅっ♡」


「んっ……ちゅ、おやすみ、エマ♡」


短いキスを交わした後、エマは自室に戻って行ってしまった。くすぐったくて苦しかったけれど、終わってからしばらくしてみればほんの少しだけ物足りないような気がしなくもなかった。


段々と慣れて、癖になってくるものなのだろうか…?


いいや、何を考えているんだ俺は。

どうにかして、教会に反旗を翻す方法を考えたい。


アルベルトの行方も気になるし……何より、エマと平穏に暮らしたい……


「…すぅ……すぅ……エマ………」


疲労から瞼が重くなり、あっという間に眠りの世界へと堕ちていった。


___________________

失踪


エマにくすぐられた翌日の朝。

普段であれば、窓辺から射し込む明るい陽によって自然と目を覚ますのだけれど、今日はずし…とした重みで目が覚めた。


「ん……んんっ…エマ……?」


「ほら、起きて?こちょこちょこちょこちょ~♪」


「っっひゃっっ!?ぁぁっあひっっぁぁぁぁっっあははははははははは!!!お、おきた!!起きたってばぁぁっぁぁぁぁや、やめてぇぇぇっぁぁぁぁっっ!!」


膝の上に馬乗りして素足の裏をこちょこちょとくすぐられる。突如として足裏から伝わってくる我慢できないくすぐったい刺激にひぃひぃと笑い狂わされ、1分くらい責められ続けてようやくエマは手を止めてくれた。


「っぁぁっ、はぁっ、あ、朝からなにひて…」


「たまにはこういう起こし方もいいかな~と思って♪」


「ひっっ!?指ワキワキするのやめてぇ」


イタズラっぽく指を見せつけるように動かしているエマは、子供の頃から何も変わらないように見えた。確かに、男女の"スキンシップ"としてみれば微笑ましく健全なものかもしれないが、だからと言って教会の言うことを全てそのまま受け入れようという気はまだ湧いてこなかった。


「朝ごはんできてるから、早く顔洗ってきなよ♪」


「あぁ、わかった。ありがとう、エマ」


今日は朝一で授業があり、午後からは少し時間がある。

学校にある図書館に行って授業で使う本と……あるのかは分からないけれど、教会に関する資料を探しておきたい。


顔を洗って朝ごはんを食べ、身支度を整えて仕事に向かう。


「行ってくるよ、エマ。昼過ぎには帰ってくる」


「行ってらっしゃい、カミル♪…気を付けてね。」


やや心配そうなエマの顔が気になり、出掛ける前にキスをして家を出た。


**

やはり学校へ向かう道中、ちらほらと女性達が自分を見ている、いや。"監視"しているかのように思えた。


それに、誰かに後を付けられているような気配も……


流石に考えすぎだろうか?しかし、アルベルトが失踪した件もあり、気が気ではない。


学校へ到着し、朝からラテン語を子供達に教えていた。

子供達の反応はいつも通りだ。

教科書を音読したり、問題を解いたり。


つつがなく授業は進行し、無事に終わりを告げた後…


「せんせー!両手万歳して?」

「今日こそこちょこちょしてあげるー!」

「ほらほら、早く両手上げてください♪じゃないと…先生が女の子の言うこと聞かなかったって"教会"に報告しちゃおっかな~?」


「んなっ……!?」


女の子3人組が取り囲むようにして指をワキワキとしながらゆっくりと近づいてくる。


「次の授業があるから…」と場を切り抜けようとしたが、「10秒だけならいいでしょ?お願い!…嫌なら…」と脅しをかけられて仕方なく両膝を床について両手を万歳することに。


「じゃあいっくよ~?こちょこちょこちょこちょー!」


「っっひゃひっっ!?ぁぁぁぁぁっあははははははは!!!!だめぇぇっぁぁぁっくひゅぐったぃぃっぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁっあははははははははは!!!」


「あ~腕下ろしちゃだめ!もっかいやり直しね!」

「先生大人なのに子供遊びのこちょこちょも我慢できないんだ~♪恥ずかしいね~♪」

「ほらほら、早く万歳して!」


「そ、そんな……」


薄い衣服越しに容赦なく腋の下や脇腹をこちょこちょとくすぐられ、10秒も我慢できず情けなく崩れ落ちてしまった。


女の子達はその姿を見て満足するどころか、「もう一度万歳!」と強く迫ってきた。


恐る恐る万歳すると…


「じゃあ私が押さえといてあげる♪」


「えっ…ぁっ!?だめっ…!」


背後から羽交い締めのように腕を拘束され、膝に膨らみかけの胸の感触がした。


「ありがと♪じゃあいっくよ~?こちょこちょの刑~♪」


「っっぎゃぁぁっひぁぁぁっ!?ぁぁぁぁぁっやめっっぁぁぁぁぁっお、俺くひゅぐり弱いからぁぁぁぁっぁぁぁっあなはははははははは!!!!」


「先生こちょこちょ弱すぎ~♪私まだ全然本気出してないよ?」


「同い年の男子の方がまだ我慢強いよ?先生大人なのに恥ずかしいね♪」


ニヤニヤと顔を覗き込まれながら首筋や腋の下、脇腹やお腹を容赦なくねちねちとこちょこちょされてしまう。


手加減を知らない年頃の女の子に押さえつけられ、敏感な身体をくすぐられて我慢できるはずもなく必死に抵抗しようとするも、くすぐったくて力が入らず万歳させられている腕を背後からがっつりと抱きかかえるように拘束されて動けない。


「ぁぁぁぁっあはっっじゅ、10秒経ったからぁぁぁっぁぁぁぁぁっやめてぇぇぇっっぁぁぁっあははははは!!」


「え~?まだ数えてないよ?」

「じゃあ今からね?い~~~ち、に~~~……」


「ぁぁぁぁっぎゃぁぁっお、遅いってぇぇぇっぁぁぁっ!」


わざとらしくゆっくりと数字を数え始め、抗議するもお仕置きとばかりに余計に激しくこちょこちょされて笑い狂わされて黙らされる。


子供遊びのくすぐりだと、ほんの少しだけ舐めていた時もあったが、子供の容赦のない無慈悲な手つきでねちねちと弱いところをくすぐられ続けるのは拷問と変わらないような苦しみに感じた。


「8~~9~…あれ、どこまで数えたっけ?忘れちゃった」


「じゃあ最初っから数えよっか♪1~~…」


「ぁぁぁっそんなぁぁぁぁぁっぁぁぁぁっぎゃぁぁぁもうやめてよぉぉぉっぁぁぁぁぁぁっあははははははじぬぅぅぅっぁぁぁぁぁっぁぁぁっあははははははは!!!!」


意地悪に終わりのないくすぐったいお遊びは、結局学校の予鈴が鳴るまで続けられた。


「っぁぁっ、はぁっ……っぁぁっ、はぁっ…」


「せんせ~涎垂らしてる♪」

「じゃあまた遊ぼうね、せんせい♡」

「今度は私もくすぐらせてね♪」


10秒どころか、10分間ノンストップでこちょこちょされてようやく解放された頃には息絶え絶えでぐったり床に寝そべってしまっていた。


ハッ…と次の授業があることを思いだし、フラフラと立ち上がって次の教室に少し遅れて向かうのであった。


**

正午には仕事が終わり、俺は学校近くの図書館へと足を運んでいた。


教会に関する資料を、ひとまず"神学"に関する書棚からしらみ潰しに見渡していた。


さすがに関連する本などあるはずもないか…と諦めかけていたその時、『くすぐりと神についての考察』と書かれた本を見つけた。


手に取ってパラパラとページをめくっていくと…


「ん…?手紙……?」


誰かが本に挟んでいたであろう折り畳まれた小さな紙が挟まっている。少しだけ辺りを警戒しながらも中を見てみると…


「"教会を止めろ…p.184"…か。」


どうしてもこの本の内容が気になり、正規の手続きで借りることはなく、こっそりと自分の鞄の中に仕舞い込んだ。


**

家に帰宅してエマと昼食をとった後、早速書斎で図書館から盗んだ本を読む。


どうやら比較的最近書かれた本のようで、著者は"アルバート"と書かれていた。


内容は教会内部において、段々不穏な動きが始まっていたこと。ある時から、シスターの一人が"くすぐり"の魅力を恍惚と語りだし、また一人、また一人と、まるで何かに取りつかれたような女性達が増えていった__


夢中になってページをめくっていると、コンコンコン、とドアがノックされる音がした。


「ちょっと買い物へ行ってくるね♪」


「あぁ、わかった。行ってらっしゃい、エマ」


俺はエマの顔を見ることはなく、ページに書かれていた文字を集中して読み込んでいた。


何か、"ヒント"があるに違いないと、第六感がそう告げている。気が付けばすっかりと外は暗くなっている。


「ん、んんっ~…そろそろ夕飯かな……おーい、エマ」


背伸びをして書斎から出てみるが、家の中はシーンとしておりエマの返事はない。


あれ…?確か数時間前に買い物へ行くと出掛けて…まだ帰っていないのだろうか?もしかして…何かあったのかもしれない。


俺は慌てて家を飛び出し、「エマ、エマ!!」と叫びながら往路を走って広場へと向かっていた。


夕陽は山の麓に沈み、人通りはまばらである。


商店街の方に行ってみたが、どの店も片付けた後だった。


手当たり次第に聞き込みをしてみるが、皆一様に「知らない」「見ていない」と答える。


一つだけ、嫌な心当たりがある。


教会のある方角に目を向ける。確証は無いが、エマは教会の誰かに拉致されたのではないか。


夜間に教会へ向かうことは禁止されている。


落ち着け…冷静になれ……と、もう1人の自分が話しかけてきたような気がした。


「ふぅ……」と深呼吸をする。

もしかすると、入れ違いでエマは家に帰っている可能性もあるのではないか。


そう思い、無理矢理にでも信じるように、家へと戻ってみることにした。


__帰宅しても、エマの姿はない。

どれだけ待っても、エマは帰ってこなかった。


_____________________

くすぐり強制捕縛


昨夜は遅くまでエマの帰りを待ちながらも、書斎で本を読んでいた。しかし、心配や不安で思考は纏まらずに諦めてベッドに倒れ込んでいつの間にか眠ってしまったようだった。


「__おはようございます♪おきてください♪」


「……ん……えま………?」


自分を起こす女性の声が聞こえ、ぼんやりと寝惚けながら目を開けると……


「ん……んん…!?お前は…っっ!?何で手足が縛られて…!」


「ようやくお目覚めですか、カミルさん♪昨夜は夜更かしだったようですね?それにしても、この私に"お前"…ですか。本来ならば侮辱罪で牢獄行きの処分ですが、今回は大目に見てさしあげましょう。」


この前出会った"アンナ"が顔を覗き込み、その後ろで修道服の女性が2人立っていた。


両腕は真っ直ぐピンと伸ばされて手首を縄で縛られてベッドの柵に繋がれ、両足首も揃えた状態で縛られて動けない…!


必死にジタバタと腰を動かしたり縄をほどこうともがいていると、アンナは腰の辺りに馬乗りして押さえつけ、修道服の女は手首、足首の上に馬乗りして程よく体重をかけて押さえつけてきた。


「ぐっ…な、何するんですかいきなり!!やめろ…離せぇ!」


「カミルさんには教会への反逆容疑に加え、異端研究、および女性からのくすぐりに抵抗した罰で拷問を行います。教会へと連行する前に暴れられても困りますので、少々本気でくすぐらせていただきますね♪」


「ひっ…ま、まさか…やめろ…!や、やめっっひゃっっ!?ぅぁぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁっあははははははははは!!!!ぁぁぁっいひゃっっやめっっぁぁぁぁっくひゅぐっひゃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁっあははははははは!!!」


「あらあら、まだほんのお遊び程度のくすぐりなのに我慢できないんですね♪よわよわな方でよかったです♪尋問の際にもすぐに白状してくれそうで、手間が省けます♪」


3人の女達はしっかりと馬乗りして身体を押さえつけながら、一斉に指を這わせてこちょこちょとくすぐってきた。


腕の上に座っているロングヘアーの女は、優しそうな慈悲深い笑みを浮かべながらも手つきは容赦なく敏感な腋の下をこちょこちょカリカリとくすぐり尽くしている。


両手を縛られていなければ一瞬で脇を閉じているところだけれど、ピンと拘束された上に馬乗りされて顔も太ももで挟み込むように固定されて逃げられない。


ボブカットのアンナはまるで小悪魔のような意地悪な笑みを浮かべながら、脇腹にあるくすぐったいツボを指の先でグニグニもみもみと刺激するかのように責め立て、息ができなくなるほどの苛烈なまでのくすぐったさを与えてくる。


両足首の上に乗っている女も、敏感な足の裏を爪先でカリカリと掻きむしるかのようにこちょこちょしており、発狂しそうなほどのくすぐったい感覚が脳天まで突き抜けていく。


「いひゃぁぁぁぁっぎゃぁぁぁぁぁっじぬぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁやめでぇぇぇぁぁぁぁもうむりぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははははは!!!お、おねがいだからぁぁぁぁぁぁぁぁぎゃぁぁぁぁっぁぁあはははははは!!!ぐるじぃぃぃっぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははは!」


「あらあら、もう限界なのですか~?もっと反抗してくれてもいいのですよ?」


「ぁぁぁぁっぎゃぁぁぁだれがぁぁぁあだすげでぇぇぇっぁぁぁぁぁぁぁっあはははははははははははえ、エマぁぁぁぁぁぁエマぁぁぁぁぁぁぁっあははははははははは!!!」


「ふふっ♪愛する女性の名前に助けを求めるのも、中々滑稽な様子ですね♪でも、近所迷惑なので少し気絶してもらいましょうか。ユリア、頼みますね?」


「はい、お任せくださいませ、アンナ様♡」


両腕に馬乗りしていた女が一瞬膝立ちして、そのまま顔の上にゆっくりと腰を下ろし始める。


目の前が徐々に真っ暗になっていき、口や鼻をぴっしりと塞ぐように女性のアソコを押し付けてきた。


「んんっっ!?んむぅぅんんっっぁぁぁぁっんんぐっっんんっっーーー!!!?」


「あんっ♡少々恥ずかしいですが、叫び声や息が当たって気持ちいいです♪ほぉら、こちょこちょこちょこちょ~♪」


顔もぴっしりと太ももを閉じるように固定され、窒息されながら首筋や喉仏、腋の窪みを容赦のない指先がこちょこちょと駆け巡り、一気に呼吸困難になってしまう…!


(くすぐったいぃぃっ…い、息ができない…!)


酸欠で頭がクラクラとして、本気で死を覚悟し始める。


「もうそろそろ気絶しそうですね。おやすみなさい、カミルさん♪ユリア、モニカ、最後なので思いっきりくすぐりなさい。」


「んんっっっぁぁぁ゛っぁぁぁ__んぐっぁぁぁぁっぁ_______ぁぁぁっ………っぁぁっ____」


腋の下、脇腹、足の裏へのくすぐりが一段と強くなり、肺の中の空気を強制的に吐き出させられながら、目の前が真っ暗になって気絶してしまった。


続きのお話(約9,000文字)

【続きのお話】中世ヨーロッパにおけるf/m至上主義の教会

コツ…コツ…コツ……と、足音が響く。 「……ん……んんっ………ここは………」 ズキズキと重たい頭と、脇腹に走る筋肉の痛み。 確か俺は…自宅のベッドで寝ていて…… 恐る恐る記憶を巻き戻す。 エマが失踪して、アンナ率いる教会の女性達にくすぐられ… 起きようかと思ったが、両手首は後ろ手に縛られ、両足首は足枷をはめられて拘束さ...



中世ヨーロッパにおけるf/m至上主義の教会

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