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男体化研究所
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リクエスト作品先取りちょこっと

206X年某日。 この日。世界初めての生きた人間同士による人頭部移植実験に成功。2010年代を皮切りに技術の進歩に歯止めがきてしまっていた人類にとって、この神をも揺るがす超技術は時代に”変革”という名の波を与える。 そもそも”人頭部移植実験”とはなんなのか?聞き慣れない単語でつい疑問に思った方もいらっしゃるのではなかろうか。人頭部移植実験…通常スワッピングは、その名の通り生きた人間の頭部を切り離し移植するというものだ。 様々な人々がこの技術を使い、まちに望んでいた第二の人生を謳歌した。(といっても一部を除き基本的に手術を望むものは抽選形式で選ばれるため誰でも扱えるというわけではないが。詳しいことは後ほど…。)ある者は寿命を延ばすため、若年の適応者と体を取り替えさらなる財を得た。ある者はこの技術を使い念願の女性としての人生を送れるようになった。そしてそしてまたある者は、その技術により莫大な富を築いた。我々2020年代の人類から見れば到底グロテスクな惨状であるが、この時代の人々は今の人間よりもなにより幸せそうだ。 今回は花崎結菜という人物の”スワッピング”について話していきたい。そもそも論。花崎結菜とはどのような人物だろうか。 性別・性自認ともに女性。年齢は32とすこし。結婚歴なし、独身。体形はスリムで胸のサイズは”超”。とある上場企業の執行役員ででタワマン住み…と非の打ち所のない、エリート街道を突き進む優秀な女性。 経歴だけではない。その黒くて長いストレートの髪も、そのニキビ一つすらできたことのない彫刻のような顔立ちも、その腕でさえ…。なんて狂いのない容姿なのだろう。なんて『恵まれた』人生の持ち主なのだろうか。 物語は、そんな彼女が”頭部交換体験会”に参加したところから始まる。参加者はペアになり1年間の間その役割を交代し、他人として新たな人生を送る。こうして他者との違いや協調性を学ぼうというのがこの体験会の趣旨らしい。 彼女のペアは誰だろうか。彼女は女性としての全てを持っているのだからまず同性を選ぶとは考えづらい。そう考えると男性を選ぶのではなかろうか。今回参加する参加者に関する書類の中を見ていくと、そこには多種多様。様々な分野における"イケてる"男性の写真が添えられている。某イケメン映画俳優やらボディビルダーの男性、はたまたラッパー等々…。しかし彼女が選んだのは、誰も予想していなかった全くの予想外の人物だった。 『ご希望の相手は決まりましたか?』 『はい♡私、この人と人生を入れ替えてみたいです。』 『どれどれ…え。』 少しなんとも言えない間がその空間に広がる。 彼女が指を差して提示した人物はなんとも如何にも不潔そうな50代半ばの男性。名を『北野尾治郎』というらしい。どうやら職歴もなく今の今までずっと無職だとか。それにしても…写真を見るだけでめまいがしてきそうだ。明らかに彼の衣服は黄ばんでおり恐らく何日間も着替えていないのだろう。顔は悪い意味で童顔。肌の色も真っ黄色…。全くの真逆の存在が、その写真の中で一人不気味な笑みを浮かべている…。職員の男性は少し言葉を詰まらせながら再度彼女に尋ねた。 『この男性で間違いありませんか?』 『はい♡間違いありません!』 『そうですか…それでは手配しておきますので…。』 『はい!よろしくお願いします♡』 先程までの獲物をみるような目つきからは一変。口角を下げ、さもゴミをみるような目で彼女を見つめながらその場を立ち去った。 (ふん。誰が何になろうがどうでもいいじゃない。あんな露骨に態度を変えなくても。) そう心の中で一人思う。それにしてもなぜ彼女はわざわざこのような人物と人生を入れ替えたいと思ったのであろうか。それは彼女のその『うまく行き過ぎた人生』にヒントがあった。 彼女が何不自由ない生活を送ってきたのは言うまでもない。もちろん彼女なりに努力した面というのは無きにしもあらずだが、それは彼女の平均値がかなり高めだったからこそ成功した側面もある。幼少期からもてはやされてきた彼女にとって、今まで人に嫌われる経験も蔑まれることも一度もなかった。だからこそ彼女はそのような底辺の生活に興味を持ったのだ。今の彼女にとってわざわざブサイク底辺親父と人生を交換するというのは、ゲームを完璧までに攻略し縛りプレイを試してみるようなもの。彼女は恐らく気づいていないがマゾ気質なところがあるのだろう。 そしてそれから1ヶ月後。 いよいよ手術が始まる時だ。彼女はベッドの上に横たわり平常心を保った。 『これから私、あの”素晴らしい身体”に変わるのよね…♡あぁ…!ゾクゾクする…♡』 すると隣には彼女と同じく例の親父が横たわっている。本心ではもう少し若い女と体を入れ替えたかったらしいが、実物を前にすると興奮が抑えきれないよう。その証拠に彼の下半身は見事にテント状になっている。 「へへ、本当に僕と首から下を取り替えるなんて。物好きな女性もいたようですね。」 メガネをスチャッと上げながら言う。 「ふふ♡でもそのおかげであなたは今から女性になるのですよ?」 「それもそうだなw」 軽く2人で談笑していると、白衣に身を包んだ男性が2人の目の前に現れる。 「それではお二人とも。そろそろ手術を始めます。手術が完了次第貴方方はお互いの自室で目を覚ますでしょう。よろしいですね?」 「はい、もちろんです♡」 「ああ、たのみます。」 (ブサイク親父とカリスマ美女の掛け合わせ…どうなることになるか楽しみで仕方ない。) 担当医は不適な笑みをマスク越しに浮かべると、そっと彼らの腕に長い注射の針を注射。10秒もしないうちに昏睡状態に入った彼女は深い眠りについた…。 (ん…ここは…。) 太陽のサンサンとした朝日が彼女の身体を照らす。…いや、今はもう『彼』と呼称すべきか。結菜は部屋の中をぼんやりと眺め、ただこうつぶやく。 「始まったのね、私の新しい人生…。」 その声は今まで出すことさえ叶わなかった低くしゃがれたおじさんの声。彼女はふと口元で手をおさえると、身体に見合っていない美しい顔に笑窪を作り微笑む。 「ふふ…たぶんお酒の飲みすぎね。 それもやっすいコンビニの焼酎やビール缶…♡」 本当におじさんに生まれ変わったんだということをしみしみと実感しながら、彼女はゆっくりとその重量感のある身体を起き上がらせる。いつもとは違いこのような単純な動作でさえ時間がかかってしまう。まあ無理もないだろう。だって今の彼女にとってこの身体は何重にも巻かれた重りをつけているようなものなのだから。また、腹がでっぱりすぎているのか。身体を起き上がらせるだけでもかなりハードなよう。 「フー♡フー♡やっと起き上がった♡」 彼女は赤ん坊のようにゆたゆたと足を動かしながら鏡の中の自分を見つめた。顔は真っ白で美しい女性らしい顔立ちなのにそれに反し体は真っ黄色。身体を動かすこともないから脂肪がたまりにたまって男のくせにかなりの巨乳だ。(もちろん形は崩れまくってるが…。)服装は白の薄汚れたタンクトップに薄汚れたブリーフ一丁…と。それだけじゃない。おまけにペニスは半勃起状態になっている。(どうやら彼女はまだそれに気づいていないようだが。)彼女は自分で選んだ選択にもかかわらず少々不安も感じていた。しかし今の自分の姿はみれば見るほど愛おしく、昨日までの自分に誓うようこう宣言した。 「私はこれから1年間この体。キモデブニートとしての人生を全うしてみせるわ!」 「…でも。おじさんになったのはいいもののどうすればおじさんらしく振る舞えるのかしら…?」 思えば結菜の周りにはこの体の持ち主のような人物は一人たりといなかった。醜くて太ってておまえけに頭が悪く無職のボンボンで…。そのため心の中で密やかに憧れていた部分はあれどあくまでそれは理想の姿。しかし彼女が求めているのは理想ではなく現実だ。もっとリアルなものなのだ。 彼女は汚いボロアパートを見渡しながらなにかヒントになりそうなものはないか調べた。床に散らばったティッシュの玉。染み付きのダニだらけの布団。無造作に置かれたフィギュアの類…。そして最後に目についたのが食べ終わったカップラーメンや缶詰が大量に積まれているテーブルの上だった。 「なにかしらこの書類。…北野尾治郎の基本データ…ですって?」 北野尾治郎の基本データ…まるでロボットの説明書の類のようなネーミング。どうやら例の体験会を開いてくれた会社がまとめあげたものらしい。 厚さは約5cmにも及ぶ太さだ。彼女は試しにページをペラリと一枚めくってみた。 北野尾治郎/男/56歳 とある上中級階級層の両親である敏郎と母和子から生まれる。上には和也という長男。下には彩という名の長女が一人。小さいころから運動神経が悪く、また成績も悪かったため親からは厳しく育てられた。思春期になり自慰行為を覚えると、それから引きこもってはしてを繰り返す生活を送る。親の死後。遺書をねつ造し彼らの遺産を食いつぶすことをかっさくするがそれに失敗。現在は兄である和也の資金援助のもと、月1万円ほどの格安住宅で暮らしている。 「なるほど。このような説明がたんたんと続くのですね。ふむふむ…口座のなかへ振り込まれるのは月に10万ほど…っと。」 読み進めていくごとに彼女の鼓動は早まっていく。本来ならあるはずのない人生。本来なら訪れるわけがない引きこもりのデブ男としての人生…。 『この人に…私。なっちゃったんだ♡』 そう思えば思うほど、背中からは汗がダラダラと湧き出ていく…。するとその毛むくじゃらで太ましい腕に、小さな突起物が触れるのを感じた。 「あら!これって…///」 パンツ越しでもわかる小さくてフニャフニャしていて…その癖少し芯のある芋虫みたいなそれ。これが結菜の初の尾治郎としての初のファーストタッチだったことは言うまでもない。


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