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神降ろし本(Clover Circle)解説

Clover'cry考察はこちら→前編後編

メロンブックスで委託してるのでお持ちでない方は読んでいただけたら嬉しいです。


自分で書いたものを自分で解説ってあんまりカッコよくない気がするんですけど、自分が読み手だったら解説欲しいかもしれないと思ったので。


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目次

●どういう話?

●名前の由来

●各キャラの設定とか

●村人の正体

●ループについて

●参考資料

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●どういう話?

ループが始まるきっかけになった話(0周目)です。


0周目の世界は永混が余計な介入をしなければ救われた世界でした。

雛燦那が永混の存在に疑念を抱き、神降ろしの最中振り返りさえしなければ、あのまま神降ろしは成功し、村は厄災から逃れることができました。


永混が惨劇のループに取り込まれたのは、彼女の好奇心のせいという救われないお話です。

●名前の由来

今回の本ではゲーム内コミュと別の時間軸であることを明示するために、永混・逢路蘭以外のメンバーの役名を全部つけ直しました。

もとから取っつきにくい名前なのに、更にそこからオリジナルで名前付けするのは帰って混乱を生むのでは?とも思ったのですが……


曖祈亞(アイノア・このみ)

ainoaはフィンランド語で「唯一の」という意味

人名としてはアイノが正しいみたいだけど、凛音亞と近い響きにしたかったのでアイノアに。

曖は、暗い、陰るなどの意。


永混が彼女の死を嘆いてやり直しをしても、最初に死んだ彼女もその後のループで死んでいった彼女たちもそれぞれが唯一の存在で、全く同じ存在が生き返ることはないんだぞ❤という思いを込めて命名しました。


雛燦那(スサンナ・ひなた)

名前としては聖書由来のオーソドックスなもの。英語だとスーザンにあたります。

音の響きが夜羽那と近かったのと、雛が入るとひなたっぽくて可愛いかなと。


羅羽螺(ラウラ・律子)

ラウラは月桂樹の葉を由来とする名前。月桂樹は勝利や名誉、学問のシンボルであるため、学者である先生の名前に。

羅は鳥を捕らえる網の意。


衣伶寧(イレネ・あずさ)

イレネは平和を意味する名前。伶は身振りで神をまねく様子を表す。

平和が死に、厄災をもたらす神がやってくる、というネーミングです。


ラストにだけ出てくる天凛亞(アマリア)は土壇場で付けた名前で、あまり深い意味はないです……一応名前の意味としては勤勉・努力・豊穣などと関連するみたいです。


ちなみに当てる漢字を決める際にはこちらのサイト( https://namedic.jp/ )を参考にしました。

ヨーロッパ人名はここをとっかかりにして検索しました。創作のお供におすすめ。

●各キャラの設定とか

永混(奈緒)

人間らしさとか感情とかがまだあんまりなくて、ただ表面的に人の真似事をしているだけ……みたいなイメージです。


曖祈亞は自分(と他の孤児たち)に優しいので、双子の妹である曖祈亞に対しても同じだろうと思っています。家を追い出され、孤児にされていたことを知った曖祈亞の立場までは考えられていません。

雛燦那に「曖祈亞はとっても優しいですから」と笑顔でのたまっていましたが……。


カードテキストで永混が願っていた「みんなと穏やかに暮らせますように」という祈りも彼女永混自身から生まれたものではなく、曖祈亞の願いを自分のものとした、という設定です。


雛燦那(ひなた)

本編と比べてすごくしっかりしたキャラクターになりました。責任感がある。

本編で夜羽那がみんなが死んでしまう夢を見る、という描写があったので、彼女の不安定さは惨劇のループによる断片的な記憶が積み重なった影響だと解釈し、0周目の段階ではそうした不安のないお嬢さんになってもらいました。


曖祈亞(このみ)

ループを重ねていないので、自分が村長の娘だと気がついていない設定です(雛燦那と同じような感じ)

なので、雛燦那と村長に対しては、恨みとか怒りの感情もありますが、それよりもまだ戸惑いの感情が勝っている状態です。


「みんなと穏やかに暮らせますように」と願っており、これがループ開始後には永混の願いとして受け継がれていきます。


羅羽螺(律子)

本編では年を取らない永混と逢路蘭を見て「この村には神がいる!」と喜んでいましたが、0周目のこの段階ではそれがないので、行動を起こすのが遅めです。

村に超自然の存在が関わっていると確信するのは、神降ろしに失敗した村長が死ぬのを目の前で見てからになります。

今回の死因は本編と違って普通に事故(厄災)です。


逢路蘭(環)

本編とほとんど変わりません。描くのが楽しかったです。


衣伶寧(あずさ)

孤児院の先生です。


永混「もう、私達しか残ってないんだから……。」(共1)は孤児院にもう3人しか残ってないという意味ではなさそう(虚4で逢路蘭を連れた凛音亞が「永混、みんなと留守番お願いね」と言っているので他にも子どもがいるはず)

なので、これは小さな子どもたちの面倒を見られる年長者が自分達しかいない、という意味のようです。

裏を返せば、厄災が起こる前には他にも小さな子どもの面倒を見られる人がいた、ということになります。そんなわけで先生がいたという設定を生やしました。


最初は歌織さんを想定していたのですが、歌織先生は孤島でも大変な目にあってるし、clever clover以外のメンバーを巻き込んでもな……と思ってあずささんになりました。ちょうど朗読劇にもいなかったですし。

●神降ろしの儀式で何が起こったか

雛燦那による神降ろしはほとんど成功していたのですが、儀式の最中に「永混は人間じゃないのでは?」という疑念を抱き、振り返ってしまったことで永混だけでなく村人の正体(怪物)までも見てしまいました。

朗読劇でも教会に来たロコが永混たちの正体(絵ですが)を見てしまっていたので、教会はそういう「ゆらぎ」が起きやすい場所なんだと思います。たぶん。


雛燦那は護身用にと羅羽螺が落とした銃をパクっていたので、怪物(村人)へと発砲。それを見た他の村人達にも混乱と動揺が広がり、中には雛燦那と同じように村人の正体が見えるようになってしまった人も現れました。

そこから相手を化け物だと思い込んだ混乱した村人同士の殺し合いとなり、村人は全滅するに至った、という感じです。

●村人の正体

クリーチャーをゼロから考えるのがしんどかったので、クトゥルフ神話から借りました。


言い伝えの中では「鳥」に例えられていたので、モデルはシャンタク鳥です。

鱗のある鳥の体に、馬のような体をしたぬめぬめの生き物です。


シャンタク鳥はドリームランドに住む翼の生えた怪物で、『未知なるカダスを夢に求めて』ではニャルラトホテプの配下として大活躍(?)します。

また、同作品内では同じく空を飛ぶ怪物であるナイトゴーント(こちらはニャルラトホテプやアザトースの仲間ではなく、彼らと対立関係にあるノーデンスの配下)を恐れている描写もあるので、『鳥と魚』で鳥を追い出した存在はこのナイトゴーントだったと考えることもできるかも。

●ループについて

今回の作品では、村の中だけがループして時間が巻き戻っているというもののではなく、やり直しを選択する度に永混と逢路蘭がよく似た別の時間軸に移動するという設定です。

全滅後に目を覚ました世界で村人たちの名前が変わってることから、ただ単にその場で時間が巻き戻ってるだけではないのはイベントコミュからも明らかですし。


だから、いくら頑張っても最初に永混が助けたいと思った村人たちを助けることはできない訳ですね……なんなら下手に介入しない方が犠牲が増えなくて良いかもぐらいには思ってます。

●参考資料

今回制作にあたって以下のシリーズを購入しました。

星海社・新訳クトゥルー神話コレクション1-5

ラヴクラフトの翻訳ものとしては訳が新しく、(比較的)読みやすいと思います。ただ、表紙のラノベ感ほどはラノベっぽくないです。

解説も充実していますし、作中に登場する地名の場所がわかる地図なんかもついてるのでアメリカの地理に疎くても安心です。4巻にはドリームランドの地図もあって、架空地図好きにはたまらないものがあります。


ただ、シリーズのうち数冊が実質絶版状態で中古or電子書籍しか選択肢がない巻があるのでそこは注意です。(定価は1600円ちょっと)

神降ろし本(Clover Circle)解説

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