エクセルガール番外編「望まざる願望」
Added 2021-01-27 01:59:10 +0000 UTC「望まざる願望」
ある日。
諸星学園に、奇妙な石が落っこちた。
それはかつて、バローン砂漠にてかの探検家イエスタデイ氏が発見した石にそっくりだった。
そして、それがなんと。
氏が発見した青い石と、学園に降ってきた赤い石。
その二つが合わさり、とんでもないバケモノが誕生した!!
真梨香「―――ああああ!??」
二つ合わさった隕石が、巨大なフジツボ状の物体・四次元怪獣ブルトンへと変貌。
諸星学園を中心に、半径1キロを謎の四次元空間へと変えてしまった!
唯「え、え、なにこれ?!」
学園と教室にいた真梨香と唯もそれに巻き込まれ、
直後教室がぐにゃりと歪み、その中で時計が逆方向に回り始める!
真梨香「こ、こうしちゃいられない!」
真梨香は慌てて教室のドアを開けて飛び出したが、飛び出したはずの真梨香が天井から降ってくる!
真梨香「あで!?」
唯「え、え!?」
真梨香「だったら、窓から!」
何が起きたかわからないといった感じの真梨香だったが、ブルトンを放っておくことはできない。
今度は窓から飛び降りた真梨香は、なんと。
上下がさかさまになり、そのまま校庭を経て掃除用具のロッカーの中へ!
真梨香「ど、どこここ!?出してえええ!?」
唯「ダ、ダメだわ……。この空間は、アイツの思うままなんだわ……。」
理沙「二人とも!」
教室へ慌ただしく入ってきた理沙だが、再び空間が変異し。
理沙「え、なに?何も見えない?今度は暗闇の世界!??」
教室のゴミ箱の中に顔を突っ込んでいた。
唯やクラスの生徒たちが慌ててゴミ箱を外すと、理沙はハッとした顔で言った。
理沙「下手に動かないで。どこへ飛ばされるかわからないわ!」
唯「え、ええ、実証済みです……。」
理沙「え?」
真梨香「え、掃除用具?!って、あああ?!」
真梨香がロッカーを開けようとしたとき、真梨香の体は今度は。
真梨香「どっひゃああああああ!?」
プールへ、まっさかさま。
理沙「真梨香もダメね……。」
唯「理沙さん、どうにかしてここから脱出できませんか?」
理沙「無理だわ。ここは四次元の世界。エクセルブローチも、うんともすんとも言わないわ。」
唯「じゃ、じゃあ……。」
理沙「でも、ギリギリ。」
唯「え?」
理沙「瀬里亜さんには、一言だけ連絡できたわ。」
唯「じゃあ、頼みの綱は……。」
理沙「瀬里亜さん、だけね……。」
そう言いつつ、ゆがめられた教室が、今度は砂漠へ変貌。
生徒が戸惑う中、真梨香は。
真梨香「今度こそぉぉぉ!」
プールサイドから飛び降りて。
真梨香「ぎゃあああ?!」
学校近くの、鉄塔の真上に飛ばされた。
・・・。
瀬里亜「エクセルチェエエエンジ!」
理沙からの緊急通信、
『今すぐ来』
を聞きつけた瀬里亜が、変身して諸星学園前へ。
なお文面が途中で斬れているのは、そこまでしか電話ができなかったからだ。
「今すぐ来て!」
と言いたかったんだろうけど、
「いますぐこい」
と言われたと思った瀬里亜は、現場へ着くまで内心びくついていた。
だが、現場を見てすぐに察知したようで。
瀬里亜「コイツっすね。うわー、学校がなんか変なもんに包まれてるっス……。」
当たりをきょろきょろしつつも、構える。
瀬里亜「まずはコイツを、ぶっ倒すっす!」
瀬里亜の声に反応したのか、ブルトンがぶるぶる震える。
瀬里亜「・・・?」
震えるだけなので、瀬里亜的にはちょっと違和感。
目の前の物体、顔もなければ表情も、手足すらないんだもの。
瀬里亜「と、とにかく、先手必勝っす!」
気を取り直して、瀬里亜は距離を詰めてジャンプ!
瀬里亜「おりゃあああ!」
ブルトンへ飛び蹴りを見舞おうとする。
だが。
ブルトンのフジツボの穴から出現したコードのような繊毛から、謎の光線が放たれ。
瀬里亜「」
蹴りを見舞う途中で、その動きが止められた。
何とも情けない格好で宙に浮いたままの瀬里亜。
それもすぐに、
瀬里亜「!あああゃりお」
まるで逆再生するかのごとき動きを取らされ、そのまま後方へ吹っ飛ばされる。
瀬里亜「え、え!?」
動きを止められている間の意識がないのか、瀬里亜は困惑した顔で周囲を見た。
瀬里亜「な、何をしたんすか?!」
そして、ブルトンは続けざまに繊毛から光線を発射。
今度は、
瀬里亜「うおおおお!?」
立ち上がろうとした瀬里亜の足元の大地を陥没させ、瀬里亜の動きを封じた!
瀬里亜「ちょ、なんすかこれ?!うわっ!?」
そしてそのまま地面から引き抜かれ、空中へ飛ばされ、大地に叩き付けられる。
瀬里亜「こ、コイツ……わけわかんないけど、強いっす!」
そう言いつつ瀬里亜は、胸に手を当て。
瀬里亜「エクセルチャージボルト!!」
電撃波状光線をブルトン目がけて発射!
その電撃は、身動きをしないブルトンに直撃コース。
しかし。
瀬里亜「―――があああ!?」
その電撃が、瀬里亜の背中に直撃!!
たまらず瀬里亜は倒れこむ。
瀬里亜「ど、どういう事っすか!?」
それを見ていた理沙たちは。
理沙「あの怪獣、空間や物質を、自由に操れるんだわ。さっきの電撃を、空間をゆがめて別の場所から発射させるように仕向けるなんて……。」
唯「じゃ、じゃあ……。」
理沙「アイツには、力技は通用しないってことね。」
唯「それって、やばくないですか!」
理沙「瀬里亜さん、頑張って……!」
・・・自身の電撃を受けつつも、瀬里亜は立ち上がる。
瀬里亜「よし、今度は空から!」
瀬里亜はジャンプし、空中へ飛び上がる。
飛び上がった、はずだが。
瀬里亜「―――ええええええ!!?」
何故か瀬里亜は、ボブスレーのように大地を滑っていた。
瀬里亜「もう!だったら走って!」
訳が分からないなりに、ブルトンに接近しようと今度は走る。
走る、はずが。
瀬里亜「―――なんでえええええええ!!?」
今度は、空中で足をじたばたさせていた。
これではまるで、コントである。
だが、やられている方としては死活問題。
全く自分のペースで戦うことができず、無駄に体力を消耗しているからだ。
瀬里亜「な、何が何だか……。」
するとブルトンとは、怪しい閃光を繊毛から発射。
瀬里亜「うわっ?!」
それを瀬里亜に浴びせる。
直後。
瀬里亜「か、体、が、勝手、に・・・!??」
スローモーな動きで、瀬里亜がその場でバレエのようにくるっと一回転。
そのあとに逆立ち。
さらにその後に、逆立ちしたままお尻を振りはじめた。
瀬里亜「な、なんで、なんでええええ?!」
何が起きてるのか、何をされてるのかさっぱりな瀬里亜は、戸惑いの声を上げる。
そんな瀬里亜に、ブルトンはゴロゴロと体を動かし突進。
ブルトンに向けて背中を向け、尻を振っているさまではブルトンの突撃をかわせるはずもなく、たまらず胸から倒れこむ。
瀬里亜「あぐっ?!」
そして、ついに。
胸のタイマーが、赤く点滅を始める。
瀬里亜「ま、まずい……このままじゃ……。」
その音をどこかの旗艦で完治したのか、ブルトンは今度は、瀬里亜の胸に繊毛からの光線を発射!
瀬里亜「え、え、うああああ!??」
それを受けた瀬里亜。
瀬里亜の、ほぼペッタンコな胸。
その胸が、なんと。
理沙「へ!!?」
唯「うそ!!?」
ぐんぐん、ぐんぐんぐん、ぐんぐんぐんぐん大きくなり、理沙と同レベルにまで膨れあがる!!
瀬里亜「わー!わー!?な、なんすか!?あたしのおっぱいが、でっかくなったぁ!!?」
その唐突な巨乳化に、瀬里亜はたまらず叫ぶ。
しかも、慣れない重さに体のバランスが崩れ、そのまま仰向けに倒れこんでしまう。
瀬里亜「あ、うう、胸がでかすぎて、スーツがきついっす!?」
普通の瀬里亜状態で定着したこのスーツが、体をきつく締めあげる。
本来ならばおっきくなることは問題ないが、この状況ではただの邪魔な物体でしかない。
瀬里亜はその場で身もだえする。
しかも、その胸目がけ再び光線が。
強制的に大きくさせられ、感度も高められたその旨への刺激は、瀬里亜にとっては想像以上の苦しみとなって降り注ぐ。
瀬里亜「あぐ、やめて、今の胸に攻撃やめてぇ!!?」
その今まで体験したことのないとてつもない刺激に、瀬里亜はたまらず叫びだす。
それでもブルトンは攻撃をやめようとはせず、瀬里亜の胸を執拗に攻め立てる!
瀬里亜「あっ、はぁっ、なに、なにこれ、体が、変な感じっす!!?」
その体のほてりと刺激に耐えつつも、瀬里亜の口からは熱い吐息が漏れ始める。
胸の点滅も次第に早まり、このままでは限界が来る。
だが。
その胸責めこそが、ブルトンにとって最大の敗因だった。
瀬里亜「も、もう、もう、ダメえええええええ!!!」
瀬里亜の体がビクンと一回大きく跳ねる。
その、直後。
理沙「え?!」
唯「うわ、何!?」
ものスッゴイ閃光が瀬里亜から発せられ、その大きくなってしまった胸から、あふれんばかりの電撃が飛ぶ!
瀬里亜の光線エネルギーの源は、雷。
そのエネルギーが蓄えられているんが控えめな胸である。
そんな胸を無理やり肥大化させられれば。
貯蔵できないくらいの電撃が、先ほど発射したチャージボルトと同じところから、先ほどの50倍くらいの勢いで周囲に降り注ぐのも無理はない。
その圧力が、ブルトンの発射した光線をもかき消しつつ繊毛を直撃。
周囲と瀬里亜に覆いかぶさっていた四次元空間を消滅させていく。
瀬里亜「はぁ、はぁ、はぁ……む、胸が戻った!」
体の異変が消えた瀬里亜は、自分の胸をぎゅっと一回抱きしめて。
目の前のブルトンを見て、猛烈にダッシュ!
瀬里亜「エクセルボルトキイイイイイイイイイイイイイイイイック!!!!!」
そして、すれ違いざまにぶちかまされた跳び蹴りが、ブルトンの体を真っ二つに引き裂いた!!
瀬里亜渾身の一発によって巻き起こる爆発。
そんな爆発の中心に、件の二つの隕石が転がっていた。
瀬里亜「・・・ふん!!」
二つの小さな隕石を拾い上げた瀬里亜は、そのまま二つを握り潰し。
瀬里亜「しゅわっち!」
空の彼方へと飛び去った。
・・・。
その後、零条家。
理沙「今日は大活躍だったわね。」
唯「ホント、ひやひやしたわ。」
瀬里亜「あ、あはは、本人が一番ヒヤヒヤしたっスよ。」
そこで瀬里亜は、理沙立ってのご希望で夕飯をごちそうになっていた。
そもそもあそこまでの激闘を終えた後で、家へ帰る元気は残っていないし。
瀬里亜も先輩の言葉に、甘えさせてもらうことにしたわけだ。
目の前には、理沙お手製の料理がこれでもかと並んでいて、瀬里亜はそれをひたすらぱくついていた。
唯「で、どうだった?巨乳になった感想は。」
瀬里亜「それが、あの時のことはあんまり覚えてないんすよねぇ。重かった、くらいしか記憶にないっすよ。」
重いんだ。
唯は目の前の「天然の」巨乳を見て、一応メモっておいた。
瀬里亜「で、でも……。」
瀬里亜は顔を伏せて、何かを呟いた。
瀬里亜「大人な感じは、したっす……。」
理沙「え?」
瀬里亜「な、なんでもないっす!」
そう言って、瀬里亜は食料消費に精を出した。
今回は何とも不条理且つ唐突な事件であった。
どんな相手でも、みんなの平和を守るため、これからも頑張ってくれ。エクセルガール!
唯「あれ?何か忘れてるような……。」
真梨香「―――そろそろ、おーろーしーてええええええええええええええええ!!!」
・・・真梨香が救出されたのは、それから程なくしてのことだったという。
本編へつづく。