こちらはファンボックスで連載していた「浴槽に沈む」シリーズの前日譚の小説です。
※BOOTHで買えるものと同じ内容ですが、FANBOXでの掲載は8月31日付近に終了するので、気になる方はお早めにお読みください。
本編の漫画をご覧になりたい方は、この記事の下の方についてるタグ、#浴槽に沈む を押していただくと一覧が出てきます(全5話)
でも本編読まなくても大丈夫な内容です多分。
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内容
ユリカがなぜあんな性癖になったのか?みたいな彼女の生い立ちメモみたいなつもりで書いてます。
虫、魚虐●、角オナ、異物挿入、踏み潰しなど(オナニーのみで異種姦や本番はありません)
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溺れる蛹
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1.
「ユリカ………いつまでそんなもの見てるの?退きなさい」
背後から聞こえる母の声にユリカは足元から視線をあげた。しゃがんでいるユリカの足元には一匹のゴキブリが腹を天井に向け、ピクピクと触覚を震わせている。前足は弱々しく空を掻き、いまにも絶命しそうだ……ユリカは母が近寄ってくるまでそこから目が離せなかった。
「まだ動いてる……気持ち悪いったらもう」
母親は片手に持った殺虫剤を置くと、何十枚にも重ねたちり紙でそれを包み込み、ビニールに放り込むと入念にクチを縛る。
「ユリカは虫が恐くないのねぇ。女の子なのに」
母親以外にもよく言われた台詞だ。確かに恐怖は感じない。しかし、好きなわけでもない……。ユリカは幼心にこのよくわからない感情をもて余していた。
………これはユリカがまだ背中に大きな革製の鞄を背負っていた頃の話だ。
ある日、蟻の群れを踏んでしまったのだ。列を乱され散り散りになる蟻たち。逃げ遅れた一匹がユリカの運動靴と地面の間に挟まれた。足を上げると身体を丸めるように縮こまった一匹の蟻の姿があった。腹の部分が潰れているが、まだ歩こうと脚を動かしている。
痛そう
可哀そう
……そんな感情は沸かなかった。たださっきまで動いていたものが、自分の行為によって、動かなくなっていく様を見て、何かが終わるのかなと思いながらそれを見て、どうなるんだろう?そんな興味に似た感情だった。
しかし身体の一部が潰れても懸命に足掻いているその様子を見ているうちに、ユリカは自分の深い部分から何かが這い上がってくるような別の感情に襲われた。
(裸足で踏んでみたい………)
靴と靴下を脱ぐとまだ微かに動いている蟻の上にゆっくりと足を下ろした。
力を込めるとプチ……という感触とともにゾワゾワとした感覚が爪先から下半身全体に広がっていった。ぐり……ぐり………と足を左右に動かし蟻を踏む度に背筋に電気が流れるような快感を覚える。
もっと踏みたい……
そう思ったときだった。
「やめろよ!なにしてんだよ!!」
いきなり後ろから怒鳴られた。振り向くとそこに立っていたのは同じクラスの連中だ。
「蟻を殺しちゃだめなんだぞー!」
「殺蟻事件だ!!!逮捕します!」
茶化しているのか正義感なのか彼らは口々に騒ぎ立てる。
「…………」
(ママはゴキブリを殺していたのに。なんで蟻は殺しちゃいけないんだろう?)
疑問に思ったが何もいわず靴を履くとその場を離れた。
この一件以来……ユリカは、人目のつかない場所でこっそりとこの行為を続けた。
最初は蟻だったが、ダンゴムシ…ミミズなど様々な虫を見つけてきては裸足で踏む。そして変わり果てた姿になった虫を見ては、このゾワゾワする感覚を噛み締めていた。
(もっと……もっと何か)
彼女は日に日にエスカレートしていった
バッタの脚をもいだ時もあった。脚がなくなり芋虫のように身体をくねらす姿を見て、トイレに行きたいわけでもないのに、下半身がじんじんと熱を持ったこともあった。
「はぁ……はぁ……」
尿を我慢する時のように、内股を擦り合わせるとその感覚は収まるどころか身体の熱は増す一方だった。結局彼女はこの感覚がわからないまま、バッタが動かなくなるまでそうしていた。
ユリカの標的にされるのは、大概小さな虫……ごくたまに池に赴いた時は、小魚や小さなカエルを手で握り潰すこともあった。
カマキリや毛虫など、自分に攻撃性を向ける生き物は避けていた。また、鳥やねずみなどの毛が生えた生き物には手を出さなかった。狡猾にも幼いなりに、自分よりも弱い生き物を見定めて行動に及んでいたのだ。
…………………………
…………
ある日の学校…
(眠………)
理由があってこんな早い時間にいる。でも、それは彼女自身のためではなかった。
こんな生き方を選んだ彼女。一方的な行為を相手に求めはするが、そんな関係が人間社会では許されるはずがない。あの感覚は彼女にとって唯一の生きがいではあるが、共有などできる訳がない。逆らえない衝動を抱えたまま、彼女は自身に危害を加える存在から身を隠す必要がある。そんな異常な状態が続けられる頑なさも、感覚を求めるためには致し方なかった。ユリカがこんな時間にいるのも、他人に合わせ、己の満足のために擬態しているからだ。鬱と警戒を合わせた表情で扉を開く。
ガラガラガラ………
教室に置かれた小さな虫かご。中には葉っぱと小さな蛹が入っている。生徒たちで順番に世話をし、観察日記を書くきまりになっていた。今日はユリカの当番だったため、朝早くから学校に来ていたのは、これが理由だった。
面倒……と思いながらも虫かごをのぞくと、蛹が割れていて白く美しい蝶が羽を広げていた。
(……!羽化したんだ………)
蛹には全く興味がなかったのに、自分が一番にその姿を見られたことに胸が高鳴った。
ユリカは虫かごをそっと机に置くと、じっと見ている………。蝶はまだ羽が完全に乾いてないのか、蛹の殻にしがみつきじっとしている。教室にはまだ誰もいない。
「…………」
幼虫の時だった頃から皆で育ててきた蝶だ。
こんなことはしてはいけない…………。
………コンナコト…………。
しかし彼女は段々とその擬態を脱ぎ始めた。その小さな指は虫かごの蓋を開け、蝶の身体を掴んでいた。白い肢体が手の中から逃げるようにもがく。その動きにすら興奮を覚えた。
「……っ」
もう片方の手で蝶の羽を掴んでいた。あまり力を込めていないのにビリビリと翅は破れていった。ユリカは蝶の羽を破きながら身体を屈めた。身体の奥底から熱いものがこみ上げてくる。またアレがくる………。
下半身から登ってくるむず痒い感覚を抑えるように、机の角に股間を押し付けていた。
「はぁっ……はぁっ……んっ」
羽のなくなった蝶は芋虫に逆戻りしたかのように、机の上で身を捩っている。その動きを凝視しながら、無意識に机に押し付けた腰を揺すり始めた。ガタッと机が動く音とユリカの荒い呼吸だけが響いている。
(誰か来るかもしれない。早くやめなくちゃ……早く…っ……)
しかし意思に反して行為を中断することができなかった。まるで下半身だけ別の生き物にとりつかれたかのように夢中で腰を振っていた。その姿は可憐な少女に似つかわしくない獣のような動きであった。
顔は紅潮し、半開きになった唇から唾液が垂れ、もがく蝶の身体を濡らしていく。
小さな蝶は飛ぶはずだった空を求めるように足を伸ばすが、唾液の水溜まりの中で溺れていき徐々にその動きは弱々しくなっていった。
「ふぅ…っ………ふぅ……はぁ……あっ……あああ!」
身体を仰け反らせながら身体を痙攣させる。頭の中が真っ白になり、目の前でチカチカと火花が散るような感覚に襲われるが、その間もぐいっぐいっと机の角に向かって腰をグラインドさせ貪欲に快楽を貪る。
「おっ…………おぉおっっ……!…………」
盛った動物のような鳴き声を唇から漏らしながらびくんっ……と身体を震わせると机に突っ伏した。
(はあ……はあ……何……今の…………)
これが彼女にとっての産まれてはじめての絶頂であった。
目の先の唾液まみれの蝶だったものはすでに事切れていた。ほんの数分前はたしかに蝶だったものが……………
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観察日記には誤ってかごの蓋を開けてしまい、蝶が飛んで逃げていってしまった、と書いた。当然皆から非難や罵倒を受けたが、そんなことはどうでもよかった。あの時味わった快感で頭がいっぱいだったのだ。本当の話は言えるはずがない。
アレが何だったのか未熟な彼女にはわかる術がなく……ただ、虫を殺すのと同じようにアレは人には言えない行為なのだと、それだけは確かに考えていた。
あの日以来、虫を虐げながら自分を慰める行為を密かに続けていくことになる。
身体が成長し、あの行動の意味が理解できる年頃になってもその癖は治らなかったのである………
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2.
しかし、年齢が二桁を過ぎて間もなく、彼女の癖はなりをひそめていた。年頃の女の子が虫を捕らえている姿は嫌でも目立つからだ……。しかし歪んだ性癖は肉体の奥底でいまだに燻っていた。彼女の擬態はいまだに続いていたのだ。
季節は夏、蝉の声が鳴り響き、虫も活発になる。人間も。そんな季節だというのに、彼女は自分の楽しみをひたすら放棄し続けていた。目に写る群像はもはや、ただの鬱陶しい同種でしかなく、そのくせ自分と同じよう擬態をして暮らしてる……。
(ウザイ…ウザイ…鬱陶しい………)
自分だけが満たされていないという思い込みに彼女は支配されていた。 帰り道の商店街、行き来する人々を避けるのも気うとくなる。この年頃の女の子は大概イライラとしているものだが、ユリカの場合はこの衝動のせいか、常に気が立っていた。
「ん………?」
商店街の端でユリカはふと足を止めた。看板を見上げると「熱帯魚」という文字が目に飛び込んでくる。所謂魚専門のペットショップだ。
…ペットショップ…熱帯魚……
(この店……いつも気になってたけど入ったことは無かったな……)
ガラス越しに見える店内は薄暗いがシャッターが上がっているため営業している筈だ。ひときわ大きな水槽に巨大な魚が泳いでいるのが見えた。薄暗い中から反射する微かな光……。
「……………」
ヴゥー………ヴゥー………ゴポゴポ……ゴポ………
気づくとその光に引き寄せられるようにその店の中へと入っていった。
中は意外と広かったが、薄暗く湿気が多かった。専門的な用語と機材が置かれ、水槽のフィルターや水の音で、耳鳴りに近い感覚があった。小汚ない水族館、といった感じの店内はところ狭しと水槽が置いてある。ユリカは窓から見えた巨大な水槽の前へと足を進めた。
【紅龍・アジアアロワナ】
値札に添えられた解説文を読むとユリカはへぇ……と声を漏らした。札に書いてある途方もない数字は見ないことにした。
生き物を見て美しいと思ったのは、あの蛹から羽化したばかりの蝶を見たとき以来だったが、記憶の中でビリビリに破かれた蝶とはまた違う感情が彼女の中で揺れ動いた。ガラス越しに悠々と泳ぐ姿は、彼女との魚の間に大きな隔たりを感じさせた。
水槽のガラスに目を近づける。瞬きも忘れ一心不乱に食い入って眺めた。ガラスとユリカの視界一杯に横切る赤い鱗。時折近づく真っ黒な円の目にユリカは吸い込まれそうになった。
「お嬢ちゃん、ちょっとごめんよ」
後ろから声をかけられ、ビクっと我に返る。無我夢中だったのか、自分の指の体温と息で曇ったガラスがまだ其処にはあった。
「あ………」
慌てて水槽から離れる。店主らしい仏頂面の中年男が彼女と一瞬目を合わせると、そそくさと水槽の蓋を開け、何やらひらひらとした赤いモノを水中に放ち、そのまま蓋を閉めた。
「……?」
よく見るとそれは金魚だった。夏祭りなどでよく見かける、小さくて細い金魚。
「餌だよ」
男はそう言うとユリカの脇を抜けて店の奥に引っ込んだ。
(?餌……)
ユリカはもう一度水槽を見る。ガラス越しの向こうの世界に、ユリカはまた目が釘付けになった。まるで舞台劇を見るよう、艶やかな色をした金魚達が、感情を露にするよう、パニックに陥りながら、水槽の端に向かって泳いでいく。
!!……
するとさっきまで悠々と泳いでいたアロワナが、突然その長い身体をしならせた。次に閉じていた大口を開けて、金魚に近づく。
ユリカは思わず生唾を飲み込み、息を荒げた。気付けばアロワナに合わせ、その小さな唇をゆっくり真似て開口していた。
瞬間、アロワナは金魚を飲み込んだ。
……バクンッ!
その光景を見てユリカは驚愕し口を同時に閉じた。
アロワナは口の中で何度も金魚を咀噛するように動かす。口からはみ出た金魚のヒレが足掻くようにビチビチと震えていたが、やがてアロワナの口の中へと消えていった。
──ほんの一瞬の出来事だった。
(ハァ…ハァ…)
が、今まで押さえ付けていたユリカの情欲を突き動かすには十分だった。
(っ……はあ……すごい………)
どくん………
心臓が高鳴る。
水槽に入れられた餌をすべてアロワナがたいらげるまで、時間も忘れて眺めていた。巨大な口に呑まれた金魚のヒレを見て彼女は思った。
(………餌……そう、餌だ………!)
まるで点と点が結び付いたように。テストの難問を解いた時のように。興奮気味に店内の角の生き餌のコーナーを見る。
すると、金魚だけでなく、コオロギ、ミルワーム、アカムシなども売られていた。それは他の鑑賞用の生き物とは違い、プラスチックのケースや水と空気の入った袋に入れられ、まるでスーパーの野菜のパックのように陳列されていた。ユリカの口元が静かに微笑む。
こんなにも身近に……なんで気付かなかったんだろう。こんなにも簡単に手に入る。
ユリカは救われたような気分になった。
………また「アレ」が出来る。金魚も、虫もいる……。
誰にも……もう……文句は言わせない………!
ユリカはついに擬態をしたまま、彼女の中にいる何かを満たすもの、餌を見つけた。
気づくと十匹の金魚が入った袋を握りしめていた。
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彼女はずっと想っていた。
あの時羽を破った蝶が今でも夢に出る。それは自責の念なのだろうか。
彼女は想っていた。
なぜゴキブリや蝿は殺してよくて、蝶や蟻は殺しては駄目なのか。
ずっと考えていたが今でも答えが見つからない。しかし目の前でアロワナに食べられた小さな金魚が、今の彼女の答えだった。
家に帰ると靴と靴下を脱ぎ捨て、すぐに浴室に向かった。幸いなことにまだ家族は帰ってきてないらしい。
桶の中に十匹の金魚を放った。プラスチックの桶に花が咲いたように鮮やかな赤色が広がる。
「はあ………はあ…………っ」
ユリカはそれを眺めながら服を一枚ずつ脱いでいった。
金魚たちは見慣れない空間に放り込まれたことに戸惑っているのか、落ち着きなく泳ぎ回っている。
(あぁ……そんな動きしたら……)
裸になったユリカはその様子を見ていた。
やがて金魚たちは互いに寄り添うように桶の端に集まりだす。その瞬間──桶に手を突っ込んで金魚を一匹握りしめた。
パシャアァン!
「あはっ……!」
ユリカは笑っていた。虫取で培った瞬発力はまだ健在だったようだ。手の中の金魚は怯えるように暴れているが、構わず口の中へと押し込む。
「あむっ……ん………………」
ユリカは金魚を味わうように舌で転がす。
先ほど目に焼き付かせたアロワナの補食シーンが脳内でリフレインする。
──これは食事なのだ。誰にも咎めれることはない。私は飢えたアロワナ……そしてアンタたちは餌だ。
………金魚は必死にもがくが、巨大な舌から逃れることは出来ない。ユリカは金魚を口内で苛めながら、まるで恋人と深い口づけをしているような恍惚とした表情を浮かべている。
「……おいひぃ…んん……ふぅ…」
秘所からは愛液が流れ出していた。久しぶりの感覚だ。虫を捕まえて苛めていたときの感覚。あの時は幼すぎるゆえに訳もわからずやっていたが、今は違う。
やがて諦めたように動かなくなった金魚を飲み込むと、きゅうう……と子宮が疼くのを感じた。
(ああ……もっと…もっと食べたい……)
ユリカはうっとりと目を細めると次の金魚に手を伸ばす。今度は二匹捕まえ口に含んだ。
「はふ……ん……ちゅ……れろ……じゅる……」
躍動する鱗と鱗の間に舌を差し込んでチロチロと味わったあと、ゆっくりと噛み砕いた。咀嚼すると生臭い香りと苦味が鼻を通っていく。時折鏡に向かって口を開き、艶やかだった金魚のかたちが壊れていく様子を映して眺めた。舌の上で金色の目玉が、鏡越しにユリカを見つめている。
金魚がぐちゃりとした肉塊に変わる頃にはユリカの顔は完全に発情しきった雌のそれになっていた。
股間に指をあてがい、ゆっくりと擦る。
(はぁ……はぁ……次はこっちに……)
洪水のように濡れそぼったそこに捕まえた金魚達を一匹ずつ詰め込んでいく。金魚が出ていかないように膣内に指を入れながら押し込んでいくと、自分の中がひくひくと痙攣し金魚をしめつけてゆくのがわかる。
「あ、あ……暴れてる……動いてる………あたしの中で………」
自分の体内でじわじわと弱っていく生命に愛しささえ感じた。
右手で金魚たちを愛撫するように膣内を掻き回しながら左手で胸を揉みしだく。
「あん……気持ちいい……はあ……はあ……イク……イっちゃう………」
ユリカは浴槽の縁にもたれかかりながらびくんびくんと身体を跳ねさせた。
ここまで激しく達するのは久しぶりであった。さざ波のような余韻とともに性器を指で拡げると金魚を掻き出した。まるで経血のようにボトボトと床に落ちる金魚たち。水を求め苦しそうにエラを動かしている。
「はぁ……あ、……あぁ……」
ユリカはそれを見て満足げに微笑むと、まだ息のある金魚たちにゆっくりと足を下ろしていった……。
終