Novel, Yumika's early morning training
Added 2024-12-28 11:50:09 +0000 UTCDear Supporters
Thank you for your continued support.
The other day, on a whim, I tried my hand at writing a novel.
It is a story about Yumika's early morning training routine.
It is the first time for me to write a novel, so there are many things that confuse me, but I am gradually putting it into shape.
I am not sure when it will be finished, but I will post it as soon as it is.
I will post it as soon as it is finished. (Due to time constraints, I will not be translating it into English. Please translate it yourself... I am aware that few of our supporters here are Japanese-speaking. I apologize for that.)
This will be the last Patreon update for this year.
Thank you very much for your support and encouragement in 2024.
Have a Happy New Year everyone.
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由美香の早朝トレーニング――女神はしなやかに彩る
冬も真っ盛りの季節、午前5時の空には有明の月がぼんやりと残り、夜の余韻を漂わせている。ベルベットの寒空が街を包み込み人々を未だ眠らせるその時間、16歳の女子高生・山添由美香はひっそり一日の始まりを迎えていた。
彼女は「世界最強の柔軟性と身体能力」を持つと言われる鬼才の持ち主だ。世界トップのコントーショニスト(軟体を魅せる曲芸師の一種)でありながら、体操、新体操等でもプロを凌駕するパフォーマンスを発揮し、その実力を証明するかのように輝かしい受賞歴を誇っている。それに加え、グラビアアイドルのような抜群のスタイルと絶世の美貌とマリンブルーのつり目が放つ猫のような鋭い眼光も相まって凄まじい魔力を纏い、彼女を見た者は射抜かれてしまうという。まるで神話上の女神がこの世に降臨したかのようにさえ感じてしまう。
そんな由美香の朝は常人には到底理解し難い始まり方を迎える。
布団の中で、彼女は想像だにしない姿勢で眠っていた。横向きで右脚を枕代わりに身体を後屈させた状態で目を覚ます。まどろんだまま伸びをすると、さらに背中を大きく反らせていく。その勢いで、背中とお尻がぴたりとくっつき、身体が真っ二つに折れたかのような姿になった。しかし彼女にとっては、それは普通の「朝の伸び」だ。痛みどころか、伸びをする猫のように心地よさすら感じさせるその表情で、流れるように身体を転回させ床に足を付けベッドから降り立つと、軽く息を整えた。
「さて、と。」
肩にかかる紺色のボブヘアを手ぐしで整え、洗面台で顔を洗う。簡単に身支度を済ませた後、彼女は部屋に戻り、はち切れんばかりの胸をスポーツブラに仕舞い込み、白黒を基調としたジャージとショートパンツ、タイツ姿になり、起きる時に蹴飛ばした布団を干した。そして家族がまだ寝静まっている中静かに廊下を歩き玄関を開けると、冷たく乾いた空気が頬をかすめた。
日の光が僅か顔を覗かせるため息さえ凍りつきそうな空気の中で、彼女は乾いた風に吹かれ一人きり歩き始めた。
「今日はいつもより冷えとるから準備運動をしっかりやっとかんと、怪我してまうかもなあ。」
腕を後頭部へと反らせ、肘を反対側の肩につけるほどの肩甲骨の柔軟をしながらそう呟き、彼女は家の近くの公園へと向かった。
到着すると、由美香は深い呼吸をして柔軟体操を始めた――もっとも、彼女の柔軟体操は常人のそれとは一線を画している。
まず、高さがへそあたりの鉄棒に右脚をかけると、息を吐きながらゆっくりと脚を前後に広げていく。その動きは滑らかで、瞬く間に180度、さらに200度、240度へと広がっていく。そしてついには股が地面に着き、みるみるうちに270度開脚に達した。そこまでして、ようやく彼女の表情に心地よさげな表情が浮かぶ。
「よし、気持ちいいのはここからやね。」
そう呟くと、彼女は上体を後ろ脚の方向に倒し、背中と左脚の太ももをぴったりとくっつける。完璧に折りたたまれたその姿勢にも、無理をしている様子は全く無く、むしろリラックスしている。1分ほどその状態を保ち、さらに身体を揺らしながら深いストレッチを続けた後、彼女は次の段階に進んだ。
鉄棒にかけた右脚を両手で掴むと、ゆっくりとレバーを引くように胸の方へ引き寄せる。脚が鉄棒を離れると同時に、さらに負荷をかけて上半身を両脚で挟み込むように折り畳んでいき、ついには300度開脚に到達した。それはもはや「脚を開く」というより「脚を閉じる」という表現のほうが正しいかもしれない。
「ま、冬やし無理はやめとくか。それに新しいタイツが破けても嫌やし。」
由美香は横倒れしそうな不安定な姿勢を揺さぶりながらキープする。全身の筋繊維1本1本がしっかりと伸びる感覚を感じながら目を瞑り深い呼吸を続ける。静寂に包まれた公園には彼女の鼓動と深い呼吸、脚の関節がきしむ音が響いていた。その姿は異様で、まるで暗がりの中鉄棒のそばに巨大なホッチキスでも置かれているように見えるかもしれない。しかし、この光景を目にするランナーは特に驚いた様子もなく、見慣れた風景のように通り過ぎていった。否、あまりに異様すぎて逆に自然体に見えたので認識すらできなかったのかもしれない。
5分ほどその姿勢を保った後、由美香はゆっくりと姿勢を解き、次は脚を入れ替えて再び同じような動作を繰り返した。その究極の軟体が織りなす姿はもはや一種の芸術ですらあった。
朝焼けの薄明かりが少しずつ差し込み始めた公園で、身体がだんだんと温まってきた彼女は開脚ストレッチを終え、次の準備運動に移ろうと立ち上がった。すらりと伸びた体躯が凛とした空気を纏い、キレのある冷たい空気を胸いっぱい吸い込んだ。隣の背丈以上の鉄棒に目を向けると軽々とジャンプして片手で掴み、軽く身体を揺らしてから一気に大車輪を始めた。勢いよく回転する中、数回転目でピタリと止まり、鉄棒の上で片手倒立の姿勢になる。その姿は驚くほど自然で、一切の震えすらも感じさせない。垂直に伸びた足先は空を貫き、まるで小鳥が止まって毛づくろいを始めそうなほどの安定感だった。
倒立姿勢のまま、彼女はゆっくりと腰を前に曲げていく。その動きは何の躊躇いもなくまるで朝目覚めたときにやった伸びのようなリラックスした様子だ。背中とお尻がくっついた体勢からさらに身体を折り、ついには脚で両耳を挟み込む。足は地面を見下ろし、ジャージがめくれあらわになった肋骨の輪郭が空を見上げている。そんな異形のポーズのまま、片手で腕立て伏せを始めた。常に忙しい由美香が考案した、この世で唯一無二の「柔軟と筋トレを兼ねた効率的なトレーニング」だ。鼻先から鉄棒の冷たい冷気を感じられるほど深く身体を沈め、息を吐きながらじっくりと動作を繰り返していく。
腕立て伏せを5回する毎に、彼女は手を交互に変え、姿勢をキープしたまま脚を地面と平行にしたり、左右に240度開脚させたり、空中でブリッジの姿勢を作ったりと、常人には到底真似できないポーズへと次々と妖艶に変化していく。しかし、それらには一切の迷いもなく、汗が一滴ずつ顔を伝い落ちる感覚を楽しむかのように集中していた。常人なら1回やっただけで身体を壊しかねないような腕立て伏せを計50回やり終えたとき、由美香は心地よい疲労を感じるとともに達成感が滲み出て少し笑顔になった。
両手で鉄棒をしっかり握り直すと、再び大車輪を始めた。後方向に身体を倒し回転を続け最高速度に達した瞬間、彼女は鉄棒から手を放ち、空中で身体をまっすぐにしたまま3回宙返り、さらに4回ひねりを加えた。
着地地点をしかと捉えながら回転する毎に汗の粒がはじけ飛び、冬暁の黄色い太陽光を様々な方向に反射させ、まばゆい光を放っていた。
そして正確無比な着地。両足が吸い込まれるように地面を捉え、少し膝を曲げて着地したあと凛とした姿勢で直立していた。
「ふう……」由美香は軽く肩で息をしながら白い吐息を放ち、直立した身体をゆっくりと揺らし、筋肉をほぐしていく。その姿は、驚異的な技をやり遂げたトップアスリートというより、ラジオ体操を終えたばかりの一般人のようだっだ。
「よし……身体も温まってきたことやし、本格的に始めるか。」
静かな独り言と吐息が、澄んだ空気の中で溶けていく。逆光に浮かぶ由美香のシルエットはどこか神々しかった。軽やかな足取りで走り出した。公園の時計は5時40分を示していた。